ぬまです。第1話に引き続きお付き合いください。
第1話でも書かせていただきました、「岩手県大船渡市」へ行って参りましたので歴史を振り返りながら今回のことを書いていきたいと思います。
16年前、まだSNSが黎明期だった2008年。僕ら勉族にとって思いもよらないご縁が生まれました。岩手県大船渡市から、mixiを通じてこんなメッセージをいただいたのです。 ※mixi、懐かしいな〜。
「バスケットボールで大船渡市を盛り上げたい」
シンプルですが、力強いその言葉に、僕ら勉族の心は動きました。僕らのキャッチコピー「笑タイム」は、バスケットボールを通じて笑顔をつくり、共有すること。遠く離れた場所でも、同じ想いを持つ人たちがいる。そんな確信を胸に、大船渡への初遠征を決めたのです。
── 初めての遠征と3年間の熱気
2008年の初遠征では、1日目に地元の小学生・中学生を対象にバスケットボールクリニックを行い、2日目には大会に参加しました。大船渡駅前の広場には稼働式のリングが設置され、地元の子どもたちの笑顔が溢れていました。
特に2008年から2010年までの3年間、大会は大盛況。参加チームも多く、街全体がバスケットボールで賑わっていました。大船渡の人々の情熱と、僕ら勉族の「笑タイム」の想いがひとつになり、かけがえのない時間を築きました。
── 震災を越えて前に進む力
しかし、2011年に東日本大震災が発生。街は大きな被害を受け、大会は中止を余儀なくされました。それでも僕らは、クリニックだけでもと大船渡に向かいました。
クリニック終了後、参加してくれた中学生たちが僕らにエールを送ってくれました。
「フレー! フレー! べ、ん、ぞ、く。フレッフレッ勉族!!!」と。
その姿は、ただの励ましの言葉を超えていました。震災の悲しみを抱えながらも、未来に向かおうとする大船渡の子どもたちの姿に、僕らは胸を打たれ、「もっと頑張らなければ」と決意を新たにしました。
── 継続が生む新たな光
震災後も環境や体制は変化しましたが、僕らの想いは変わりませんでした。2017年には、小学生のミニバスチーム「小勉族」が設立されました。僕らの活動が形となり、次世代に繋がっていることを実感した瞬間でした。そして2023年には「大船渡アスリート応援団」の公認アスリートに認定され、大船渡での活動の一つの節目を迎えることができました。
今年、2024年には「3×3ミニ大会『勉族笑タイム』」を開催し、小学生50名、中学生20名が参加。選手や親御さんの笑顔に包まれ、まさに「笑タイム」を体現したイベントとなりました。翌日の大会では、小勉族1期生が高校生となって出場。さらに、2011年にエールをくれた中学生は26歳になり、観客席で声をかけてくれました。
── 「バスケットボールの力」
僕らが大船渡と共に歩んできた16年間。そこには、継続してきたからこそ感じられる喜びや感謝が詰まっています。バスケットボールが繋いだ絆は、時を超え、世代を超え、新たな未来をつくっています。
私は想う、バスケって、素晴らしいな。
そんな想いを改めて噛み締める、16年目の大船渡遠征でした。ズン。
文・写真 ぬま