金メダリストを輩出した3×3新聖地で優勝を飾った地元BREX.EXE
パリオリンピックでの3×3は男子がオランダ、女子はドイツが金メダルに輝いた。日本は今年5月に行われた2度にわたる予選に出場したが、残念ながらパリへの切符に手は届かなかった。そのひとつ目の予選が宇都宮で開催され、日本が出場していなくても親近感を持って見られたことだろう。金メダルのオランダが出場権を獲得した会場はライトキューブ宇都宮であり、3×3の新聖地として箔がついた。他にも、日本で熱戦を繰り広げていたフランスが銀メダル、リトアニアが銅メダルといずれも表彰台に上ったことが喜ばしい。優勝した女子のドイツに、宇都宮予選では日本が勝っている。10分間で決着のつく3×3は、身長差に関係なく勝つチャンスがどのチームにもあるのが魅力だ。
聖地で行われた3×3.EXE PREMIER 2024 -JAPAN Victoria Conference- ラウンド7は、黄色い声援に包まれた地元UTSUNOMIYA BREX.EXE(以下BREX)がホームで今シーズン5度目の優勝を飾った。外国人ビッグマンが台頭する3×3.EXEにおいて、日本人だけで戦うチームに肩入れしたくなってしまう。スポーツの国際大会を見るときにだけ燃えたぎる愛国心のせいかもしれない。
2点差の惜敗を自信につなげてラストラウンドへ
印西市を拠点に千葉に縁ある選手が揃ったINZAI RHINOS.EXE(以下RHINOS)。#3 嘉野啄也、#51 前田真吾、#96 飯塚環は揃って日本体育大学柏高校出身。「千葉出身の選手だけでも3×3.EXEで戦えるところに注目してもらえれば、すごくうれしいです」と話すゲームキャプテンの #14 大野勇哉は神奈川出身だが、千葉にある順天堂大学で過ごした4人が宇都宮ラウンドに参戦。
予選グループ初戦は黄色いファンがグルリと囲む完全アウェーとなる地元BREXを相手に、RHINOSが奮闘する。時間をかけて対策を練り、「プランどおりに進めることはできていましたが、早い時間帯にムダなファウルが多くなったことで、最後にファウルを使えなかったのが敗因でした」と大野は早々に7つのファウルを重ねてしまったことを悔やむ。5人制とは違い、個人ファウルに制限がない3×3はファウルアウトもない。しかし、チームファウルが7つを越えると相手に2本のフリースロー、10回目以降はさらにポゼッションを与えてしまう。205cmのテオドール・アタナソフを擁するBREXだけに、インサイドを止められず、ファウルがかさんだ。