高いインテンシティで52点に抑え、2週間ぶりの勝利
前節4月6日、ファーストシーズン(2016-17)以来の日本生命 B.LEAGUE CHAMPIONSHIP 2023-24(以下CS)出場を決めた三遠ネオフェニックス。続く4月10日は富山グラウジーズを破って41勝目(10敗)を挙げ、初の中地区優勝を決めた。同2位で続くシーホース三河(30勝21敗)は同4位・ファイティングイーグルス名古屋(27勝24敗)に敗れたことで、中地区CS争いは4チームが3ゲーム差の中でひしめき合う。ワイルドカードへ目を向けると、トップに立つ東地区3位の千葉ジェッツが3連敗(31勝20敗)。西地区3位・島根スサノオマジック(30勝21敗)と同4位・広島ドラゴンフライズ(29勝22敗)の直接対決が行われ、勝った島根が1ゲーム差で2番手につけ、ここまでがCS圏内。しかし、すぐ下には3ゲーム差で6チームが手を伸ばし、残り9試合となっても全く先が見えない状況だ。
4連敗の川崎ブレイブサンダースは中地区5位へ後退し、5連勝のサンロッカーズ渋谷が同3位へ浮上。この両チームもワイルドカード争いの渦中におり、今シーズン2度目の直接対戦に臨んだ。1月17日、SR渋谷が79-78で延長戦を制し、先勝している。その試合は、川崎のニック・ファジーカスとジョーダン・ヒースをケガで欠いた。もう一人、「バスケットLIVEで応援することしかできなかったので、すごく不甲斐なかったです」と振り返る野﨑零也も、体調不良で帯同できなかった。迎えた2戦目、戦力が戻ったホームの川崎は「出だしから強度が高く、ピック&ロールのディフェンスも高い位置から勝負して行ったことがすごく効いた。高いインテンシティのまま、最後まで戦えたことが今日の一番の勝因」と佐藤賢次ヘッドコーチは述べ、80-52の快勝で連敗を抜けた。
SR渋谷戦へ向け、「どんな苦しい試合でも(アンソニー)クレモンズ選手が活躍して、ひっくり返す場面も多かったので、徹底的にプレッシャーをかけて嫌がらせる」作戦をポイントに置く。連敗中も、先発を託された野﨑は「マッチアップする相手のメインハンドラーやエースを嫌がらせ、チームに良い勢いをもたらせてくれていた」と指揮官の信頼も厚い。野﨑にとっては、移籍してからはじめてのSR渋谷戦であり、タレント豊富な相手との試合を心待ちにしていた。
「キーマンであるクレモンズ選手とマッチアップすることになり、少しでもストレスを与えることが仕事だと思って、試合の入りからしっかりプレッシャーを与えようと心がけていました」
ディフェンスだけではなく、オフェンスでのマッチアップも功を奏し、開始5分過ぎにはクレモンズに早くも3つ目のファウルを与え、ベンチへと追いやる。この日、フリースローをもらって決めた2本が野﨑の総得点だったが、「もうオフェンスはみんな得点を獲れるので、どれだけディフェンスをできるかが大事かなと常に考えています」と役割に徹する。クレモンズがボールを受けた瞬間に最前線からプレッシャーをかけ、その背中を見せてチームを鼓舞する。40分間守り抜き、SR渋谷をたった52点に抑えたディフェンス力で2週間ぶりの勝利に安堵した。