2023年の3×3.EXE PREMIERは5月に既にスタートを切っているが、女子カテゴリーは少し遅れて6月11日に開幕。千葉県船橋市のららぽーとTOKYO BAYに、新規参入2チームを含む6チームが集結した。最初のラウンドを制したのはTOKYO BB.EXE。昨シーズンはリーグ制覇を逃したとはいえ、JBA主催のJAPAN TOURなど他の大会でも上位に名を連ねていることを考えれば順当と言える結果だ。
この日のMVPに選ばれた有明葵衣は、リーグ初代得点王の貫禄を誇示し、4試合で計36得点。2ポイントとドライブで常に相手に脅威を与え続け、LEO NINERS.EXEに粘られたセミファイナルの残り1分を切ったところで突き放すフリースロー2本を決めるなど、勝負強さも光った。
「今シーズンは『最後に勝ちきる』ということを自分なりにテーマにしてやっていて、今日も残り3分を切ってからが勝負ということをみんなとシェアしていた」という有明は、新規参入チームながらシーズンMVPを2度受賞している李人竹を迎え入れたFLOWLISH GUNMA.EXEとのファイナルでも、スピードや駆け引きなどあらゆる引き出しを駆使した変幻自在のドライブで得点を量産。これも残り1分を切ったところで、19-19の同点からKOに王手をかける20点目を有明がねじ込み、その後追いつかれはしたものの、得点したほうが優勝という局面でも有明がアタックから安江舞のゴール下をアシストし、残り16.2秒で勝利を引き寄せた。「最後まで集中力が切れることなくできたのはチームメートのおかげです」と有明は仲間を立てるが、自身に課したテーマをリーグ開幕ラウンドでクリアし、結果に結びつけたのは有明の実力以外の何物でもない。
それでもなお、有明はチームメートの存在に感謝し、チームスポーツのあるべき姿を説く。
「今日の優勝も私1人では成し得ない結果ですし、みんながいてこそ。チームメートに頼るということも大事だと思います。ここぞというところで自分がしっかり仕事して、みんなの良い部分も引き出せるようなプレーをしたいということは常々考えてます」
今シーズン、TOKYO BB.EXEには新しいメンバーも加わった。昨シーズンから在籍する佐野萌笑も含め、U24枠の選手はリーグの6チームで最多の4人。その中から、この日は北澤陽奈子がロスターに加わった。チームには安江や岡田麻央といった、女子カテゴリー創設初年度から3×3.EXE PREMIERでプレーしている実績十分な選手もいるが、同じく同リーグの全てのシーズンに参戦し、チーム最年長でもある有明は、必然的にリーダーの役割を担う。その立場から、今シーズンのTOKYO BB.EXEには「伸びしろしかない」と自信を窺わせ、新しいメンバーの成長を促したいという意識も備えている。
「4月に宇都宮でやったWOMEN’S CHALLENGEをスタートにして、そこからどれだけ成長できるか、それをみんなで楽しもうと言って練習してきて、積み重ねてきたものを今日出すことができて良かったです。とはいえ、試合経験という点ではまだまだ不足しているところがあると思うので、若い選手にとにかく精一杯プレーしてもらうという雰囲気作りは今日も心がけました」