3×3日本代表にBリーガー、そのOBから期待の学生、ストリートボーラーなどさまざまな経歴を持つ選手が集う3×3.EXE PREMIER。オフシーズン中のプロにとってはスキルアップのため、5人制を引退したベテランたちはもう一花咲かせるため、またはこのステージに転がるチャンスを拾ってステップアップするためなど、それぞれが熱い思いを持って戦っている。
午前中までの荒天がウソのように、好天にめぐまれた品川インターシティでのEASTERN Conference Round.2。今シーズンより新規参入したASUKAYAMA CHERRYBLOSSOMS.EXEはSAITAMA WILDBEARS.EXEに16-21、UTSUNOMIYA BREX.EXEにも15-21といずれもKO負け。Round.1の初戦に勝利して以来、勝ち星がなく、通算1勝3敗。しかし、品田大は「Round.1よりもチーム力がかなり上がっています」と自信を見せた。
「Round.2ではいずれもトップチームを相手に、戦える部分と課題も見つかったので、次の名古屋(Round.4/6月17日@オアシス21)ではそれを克服して、またチャレンジできれば良いかなと思います」
3×3は、5人制で言うところの3ポイントシュートが2点、それ以外は1点となる。得点が倍になる2ポイントシュートを確率良く決めれば、小さいチームであっても太刀打ちできる。「デカい選手をどれだけ外に出して、平面の勝負だったらスピードで勝てるかなという印象がありました。高さに対して、運動量で戦うことを意識していました」という品田は、チームの得点源として戦える部分を見出す。一方、高さがない部分は課題でもあり、「どれだけディフェンスをハードにできるか、スタッツに残らないところでどれだけ戦うことができるか、そこが一番のカギになってくるとは思います」。合わせてオフェンスでは、2ポイントシュートの重要性を痛感していた。
ASUKAYAMA CHERRYBLOSSOMS.EXEに在籍する選手たちのバックラウンドを聞けば、「昔から活躍していたような選手はそんなにいない」そうだ。3×3.EXE PREMIERでの実績があり、チームのエースは福田大佑だが、この日はロスター入りしていなかった。品田自身は正智深谷高校から埼玉工業大学を経て、Bリーグを目指している。現在、5人制では下田健太郎とともに、関東地域リーグAの葵企業に所属しており、3×3.EXE PREMIERには企業チームの選手も多い。
「僕はプロ志望で、大学4年時に部活を中退してプロを目指すための活動をはじめました。高校でも大学でも試合には全然出られず、花が咲くような機会には恵まれませんでした。でも、いろんな経験をさせてもらい、感謝しかありません。僕はそれをバネにして、3×3やBリーグで活躍できるようにがんばりたいと思って取り組んでいます。これをきっかけに、今後のラウンドを重ねて経験を積んで結果を残せるようにし、5人制でもしっかり活動していければ良いと思っています」
新規参入チームであり、品田にとっても初参戦となる3×3.EXE PREMIERでは「何もかもがチャレンジャー。自分たちが目上の選手やトップチームに対し、どれだけ戦っていけるかだと思います。自分たちの強みをもっともっと確立して戦っていきたいです」と結果を求めながら、ステップアップするためのチャンスにつなげていく。
文・写真 泉誠一