〜前編〜より続く
ストリートバスケ祭「HOOP IN THE HOOD」(以下HITH)は地元に根付いた素晴らしい大会である。今回は会場の一部が工事中だったため、コートまわりの特別シートしか設置できず、実質無観客試合となった。そのために、通常見られる演出も大幅カット。HITHはHIP HOPカルチャーを踏襲し、コートの後ろにドンと描かれたグラフィティこそがその象徴である。Bリーグでも見られるDJの存在は欠かせず、さらにラップミュージシャンによるライブやブレイクダンスが披露されるバスケ版足立区ブロックパーティー。初代チャンピオンのFAR EAST BALLERS(以下FEB)が1日限りで復活し、20周年の記念大会に花を添えた。
ATSUSHI a.k.a. WILDSPEEDは、現在バスケをはじめとしたスポーツで街おこしに力を注いでいる。またバスケ選手としてシニア大会へ出場し、日本一を目指す。その模様を自身のYouTube(https://www.youtube.com/@hoopchannel6544)に記録している。久しぶりに見たFEBだったが、ATSUSHIのプレーがFEBらしさを表現していた。ユニフォームを後ろ前に着るスタイルは健在。WILDSPEEDの名を表すドライブを披露。20年前と変わらぬ立ち振る舞いが、記憶を蘇らせる。
M21 a.k.a. DOGSは今も3×3や5人制で活躍中。福岡第一高校から日本体育大学でプレーしたエリートであり、お寺の住職を継ぎながらバスケに情熱を注ぐ。FEBの最後の正メンバーとして迎えられたM21。ラストゲームということを聞き、わざわざ福岡から駆け付けた。
ATSUSHIとM21はともに2023年をラストイヤーと決めて、日本一を目指してバスケに向き合っている。
「1時間前から会場入りしてずっとアップし、このTEAM−S戦に懸けていた」ATSUSHI
久々にみんなと会えて、一緒にプレーができて、それだけですごい幸せなんだなぁと思えた。今はいろんなチームに渡ってプレーしているけど、やっぱりFEBのメンバーとするバスケが一番しっくりくる。それを再確認できて良かったです。
TEAM-S戦へ向けて、特に打ち合わせもなく練習もせず、開始5分前ぐらいにちょっと話しただけ。ディフェンスはノーミドルか、ミドル側に行かせるかどうしよう、と話したぐらい。TEAM-Sとの相性が良いから、どっかで流れをちゃんとつかんで2点ほどリードして残り2分まで戦えれば、勝てるんだろうなと思っていた。TEAM−Sならば絶対に勝てるだろうな、と正直思ってたんですよ。だから、1時間前から会場入りしてずっとアップして、このTEAM−S戦に懸けていた。勝てて良かったよね。
(久しぶりにHITHで戦ってみて)昔に比べるとレベルが高くなりました。ステップワークひとつ取っても、昔のスキルとは全然違うと思います。競技バスケをしっかりできている人たちが増えた。大学生やクラブチームでしっかりバスケをしている人とストリートのチームが戦うのはすごく良いことです。だから、切磋琢磨して上手くなって欲しい。何より、楽しそうだなって思いました。
(近況は?)寄居町で「スポーツで街おこし」をする活動をしながら、バスケのシニア大会にチャレンジしています。街おこしは行政と一緒になって「地域おこし協力隊」をしていましたが、それが一旦終了。今度は自分で街の税収を上げられるように、起業する準備をしています。だからこそ、今年1年はバスケットに向き合うラストイヤー。