ひたすら繰り返す試合後の反省と次戦へ向けた対策
昨シーズンのオータムリーグは12チーム中7位だった中央大学。その後、日本一に立つ白鷗大学に一矢報いており、インカレのダークホースとして期待された。3回戦敗退ではあったが、準優勝した東海大学を相手に65-69と迫り、あと一歩及ばなかった。#2 内尾聡理、#3 北村孝太、#21 渡部琉、#47 吉田崇紘らがこれまでも主力としてチームを引っ張ってきた。4年生になった渡部はインカレ優勝を目標に掲げ、集大成となるラストシーズンに挑んでいる。
26試合と長丁場となるオータムリーグは、「開幕戦から最後の試合までにどれだけ成長できるかがカギになります」と渡部は言い、チームとして取り組んでいる。開幕戦は東海大学に74-65で勝利し、渡部は続く拓殖大学戦を含めた2連戦でいずれも20点オーバーの活躍を見せ、幸先良いスタートを切った。迎えた第3戦、昨シーズンのインカレチャンピオン・白鷗大学に64-78で敗れ、初黒星を喫した。
ディフェンスを信条とする白鷗大学に気圧されるように、自分たちのバスケを見失ってしまった。試合後のミーティングでは、「日本一を目指すチームはこの強度のディフェンスをしており、後から出てくる選手のエナジーも学ぶべきところがあった。気持ちを切り替えて、これからの試合に向けてしっかり戦っていこう」と敗戦から得たことを共有し、成長の糧とする。
試合が続くリーグ戦だからこそ「試合毎に修正し、次に向けた対策をひたすら繰り返す中で、自分たちのバスケットスタイルを確立して、チームとして意識を浸透させて行く」作業が続く。それが今、中央大学が築きあげている「文化」だと渡部は言う。
「その文化を確立させることがインカレで優勝するためのカギであることは、昨シーズンから身に染みて感じており、そこを強調しています」
プロ選手の振る舞いに感銘を受けた準備と習慣
今夏、渡部は23歳以下の3×3日本代表に選出され、拓殖大学の益子拓己や筑波大学の三谷桂司朗、Bリーグのキング開(専修大学〜横浜ビー・コルセアーズ)、佐土原遼(東海大学〜広島ドラゴンフライズ)とともにマレーシアへ渡り、1週間で17試合をこなしてきた。中国やモンゴルら強豪がいるアジアカンファレンスの中、6つの大会で最多となる3度の優勝に輝いた。
「もちろん技術もそうですが、試合に向かう準備や試合後の取り組みに対して、プロ選手との違いを一番感じました。だからこそ、自分も試合に向かうための取り組みについて強調しています。チームメイトにも『徹底して取り組めない選手はベンチに入る資格はない』『ベンチに入った選手の責任でもある』と伝えています。その準備や習慣を見られたことが一番勉強になりました」