「Denka Presents Wリーグプレーオフ 2021-2022」ファイナルは、4月16日(土)より代々木第一体育館にて日本一決定戦が開幕する(2先勝方式=最大3試合)。今シーズンのラストゲームまで勝ち上がったのは、2連覇を狙うトヨタ自動車アンテロープスとファイナル進出は6年ぶりとなる富士通レッドウェーブ。どちらもタレント揃いのWリーグを代表する強豪チーム同士だが、今シーズンの対戦は昨年12月の皇后杯準々決勝の1試合だけ(※レギュラーシーズンは新型コロナウイルス陽性者が出たために中止)。その時の結果は62-55で富士通が勝利。Wリーグとしては、昨年のプレーオフ セミファイナル以来となり、トヨタ自動車が2連勝している。2017年に皇后杯を行った代々木第一体育館だが、このアリーナでの試合経験がある選手は少なく、どんな展開になるのかは全く予想がつかない。チケットも好調に売れているようであり、ファンの後押しこそが勝敗のカギを握りそうだ。
プレーオフを迎える前に、ネクストステップについて言及した2人の選手たち。富士通の町田瑠唯は今シーズンを終えたあと、すぐさまアメリカへ渡り、WNBA(アメリカ女子プロバスケットボールリーグ)ワシントン・ミスティックスでさらにプレーし続ける(※来秋は富士通でプレー)。1学年下の三好南穂(トヨタ自動車)は、今シーズン限りでの引退を表明した。2人はともに2016年リオと2021年東京で開催されたオリンピックに出場。トップアスリートとしてどちらも素晴らしい決断であり、今後の活躍が楽しみでしかない。町田が日本一となってWNBAへ乗り込むのか、はたまた三好が有終の美を飾るのか?
「たくさんの方に応援してもらえた人生だった」三好南穂
トヨタ自動車の大神雄子アシスタントコーチも引退を公表してラストシーズンに臨み、ファンやチームメイト、ライバルとして戦い続けた仲間たちに祝福されながらユニフォームを脱いだ。2度のオリンピック出場、昨シーズンのWリーグ優勝と輝かしい功績を残してきた三好は、「たくさんの方に応援してもらえた人生だったので、(シーズンが終わってから)あれが最後だったんだというのではなく、先に伝えて皆さんに最後のプレーを見てもらいたい思いで(引退を)発表しました」と感謝の気持ちがこもっている。セミファイナルの会場には、メッセージボードを掲げるファンの姿があった。
三好の代名詞である3ポイントシュートが放たれるたびに会場が響めく。決まれば大きな拍手に包まれるが、「そこを決めきれないのは本当に申し訳ないです」と恐縮する。しかし、セミファイナル2戦目は3ポイントシュート2本を含む、14点を挙げた。「最後だから勝ちたいとか、肩に力が入ってしまうのはしょうがないこと。リラックスして戦うことが大事になると思っています」と自分に言い聞かせ、平常心で最後の戦いへ臨む。