第72回全日本大学バスケットボール選手権大会(インカレ)での男子準々決勝は、昨年の決勝と同じカードである筑波大学vs専修大学が再現された。昨年は筑波大学が91-76で勝利し、日本一となった。専修大学にとっては越えなければならない相手であり、雪辱に燃える。50-50で迎えた残り0.5秒、専修大学はフリースローで勝ち越すチャンスを得る。しかし、クベマ ジョセフ・スティーブがこれを2投とも外し、40分間では決着がつかずに延長戦へもつれ込んでいく。
延長戦開始46秒、専修大学の西野曜がテクニカルファウルを取られ、それが5つ目となり退場を宣告される。5分間の短期決戦で先制したのは専修大学の方だった。しかし、最後は山口颯斗の3Pシュート、そして野本大智がフリースローをしっかり沈めて64-60。ケガにより菅原暉こそ戦線離脱するアクシデントもあったが、しっかりと4年生がチームを引っ張った筑波大学が勝利し、準決勝へ駒を進めた。
「エースのような役割を担っていかなければいけない」筑波大学 #13 二上耀
集大成となるインカレでは4年生の存在が大きく、それとともに下級生の勢いも大事である。その間を受け持つ中間管理職のような3年生もまた、重要なカギを握る存在だ。来年へ向け、チームをつなぐ大事な役割を担っている。
第4クォーター残り24.5秒、3点を追う筑波大学を救う3Pシュートを決めたのが、3年の二上耀だ。昨年はケガのためにロスター入りできず、「メチャメチャ悔しい思いをしていました」。それゆえに、「相手がどこであっても勝ちにこだわりたいとずっと思っています」と今年のインカレには並々ならぬ思いで臨んでいる。
「僕のシュートの前に山口が2本くらいエアボールをしていました。気持ちが切れてもいなかったので、ここで決める可能性が高いのは僕の方だと思っていました」と50-50と同点に追いついたシーンを振り返る。強気で放ったシュートでピンチを救った。タレント豊富な筑波大学だけに、今年の二上はセカンドチームとしてベンチスタートとなる。しかし、インカレがはじまる前までは「積極性がなかった」ことで、その役割を果たせずにいた。
「エースのような役割を担っていかなければいけないと思って、セカンドチームでも積極的にプレーすることを心がけるようにしました」と吹っ切れたことで、専修大学戦も大仕事をやってのけた。2連覇まであと2勝に迫ったが、それ以上に準決勝での大東文化大学戦を心待ちにしている。
「準決勝の相手はオータムカップ(56-67)で負けている大東文化大学であり、自分たちの反省が大きく出た試合でもありました。その反省を二度と繰り返さないようにしっかり戦っていきたいです」