小学校から憧れていた地元チーム
後半戦に突入したBリーグは、特別指定で三遠ネオフェニックスに入団した福岡第一高校の3年生、河村勇輝が注目を集めている。18歳9ヶ月17日でデビューしたチームメイトのダシルバ・ヒサシがこれまで保持していたB1最年少出場記録を、18歳8ヶ月23日で河村が塗り替えた。ひとつカテゴリーが下がるB2では、過去にも現役高校生がプロの門を叩いてきた。河村よりも早く、昨年末から広島皆実高校3年の三谷桂司朗が地元の広島ドラゴンフライズでプレーする。ちなみに三谷は18歳6ヶ月14日でプロのコートに立った。
2月2日のアースフレンズ東京Z戦、88-68と20点差がついたラスト1分56秒、3試合ぶりに三谷にも出番がやってきた。「今はプレータイムが限られており、それはもう変えようがないので、出たときにどれだけ積極的な気持ちを持つかを心がけて挑みました」とコートに入った20秒後に3Pシュートを放つ。エアボールとなったが、リバウンドに入っていた谷口大智がしっかりフォローする。積極的にプレーしたからこそ、得点につながった。
広島の浦伸嘉社長から直接オファーされた三谷は、「小学校の頃から憧れていた地元のチーム。そのユニフォームを着てプレーするのは夢のようなことでしたので、迷うことなくお願いします」と夢をつかむ。昨年12月29日、福島ファイヤーボンズとのホームゲームでデビューし、2分程度の出場時間ながら6本のシュートを放っていく。残り5秒、最後の最後に初得点を決めた。
「デビュー戦のときは特に何も考えず、ガムシャラにやった結果で2点を獲ることができました。でも、その次の試合からは考えながらプレーしないといけないという気持ちが出てしまい、マイナスなプレーが続いてしまっていました。ここ最近になり、同級生の河村勇輝くんが活躍しはじめて、心の中で悔しいという気持ちがありました」
河村とはU16日本代表、高校2年ながらともに飛び級でU18日本代表に選出された仲である。同級生の活躍に刺激され、「これからも絶対にチャンスを見逃さず、積極的にゴールを狙っていこうと思います」と年齢を言い訳にせず、出場機会を求めていく。
期待しかない191cmの逸材
つい1ヶ月ほど前まで高校生同士でプレーしていた。現時点では勝負が決まったガベージタイムの2分程度しかコートに立てていないが、練習中はプロの中でしっかり揉まれている。「高校まではゴール下でも無理なくシュートまで持っていけました。でも、プロの練習では常に外国籍選手がいて、普通にシュートに行けば絶対にブロックされてしまう状況です」と高さと強さが全く違い、高校生にも容赦はない。「簡単なレイアップシュートではなくタイミングをずらしたり、フローターであったり工夫が必要ですし、キャッチ&シュートでゴールを狙うことが大事」と練習から少しずつ順応している。