捨て身に向かって来る相手とのタフな戦い
関東大学2部リーグは残り5試合を残し、3位と6ゲーム差をつけた拓殖大学(16勝1敗)が早々に1部昇格を決めた(※2部上位2チームが自動昇格し、1部下位2チームは自動降格となる)。昨年、1部最下位となって自動降格した拓殖大学にとってこの結果は通過点であり、インカレで勝つことを目標に励んでいる。2年前の関東大学1部リーグチャンピオンであり、タレントは申し分ない。しかし、2部リーグも留学生の台頭や元1部のチームにひと泡吹かせてやろうというプレッシャーもあり、序盤は冷や汗をかく試合が続く。4戦目、国士舘大学に78-98で敗れた。キャプテンの平良彰吾の印象はこうだ。
「2部はどんどんシュートを打ってくるチームが多く、速いテンポでオフェンスをしてきます。山梨学院と競る試合が多かったですが(○89-86、○85-81 ※山梨学院のヘッドコーチは元日本代表キャプテンの古田悟氏)、相手も捨て身で来るのに対して自分たちが受け身になってしまっていました」
拓殖大学の戦力は「シューターは多くいますが、2部の中でもそれほど身長があるわけではないチームです」。ポイントガードの平良は「速い展開から積極的にシュートを打っていこうと話しています。1on1や5人で守る意識を持って、ディフェンスから良いオフェンスに入れるようにしています」とコントロールし、連勝につなげてきた。
40分間の中で「波がある」ことを池内泰明ヘッドコーチは指摘する。積極的に選手交代を行っているからこそ、「誰もが率先して声を出さなければいけないですし、4年生を中心にコートの中で修正していく時間が大事です」という平良は、キャプテンとしてコートの上でチームをまとめていた。
インカレでの結果を重要視
2年前に関東1部を制したときからディフェンスの強度を上げた。今年はさらにハードなディフェンスをしているようにも感じる。しかし、それも2部のレベルだから通用しているだけかもしれない。「1on1で守ることを意識していますが、まだまだベースラインを簡単にやられたり、そのあとのヘルプも行かなければいけないところがあります」と平良は課題点を挙げた。ディフェンスで前からプレッシャーをかけることは、抜かれるリスクも当然ある。そのときこそコミュニケーションが大事になり、「チームとしてヘルプの寄りなどを早くしていかなければならないです。もっとハーフコートでも強いディフェンスをしていかないとインカレで戦うには難しくなります」と1部の強豪との対戦を想定しながら戦っていた。
「インカレでどこまで結果を残せるかを重要視しています。2部ではこの身長や今のプレーでも通用する部分はありますが、インカレでは圧倒的な身長差があり、杉野(晴輝/194cm)だけでは守り切れないと思います。もっとリバウンドは全員で飛び込む意識や、ハーフコートでもっと前から当たって相手に時間を使わせないようにするなど、もっと自分たちが成長できることは多くあります。日頃の練習からリーグ戦を重ねる中で、もっと上を目指していきたいです」