※本記事はバスケットボールスピリッツのWEB化に伴う、2017年3月末発行vol.7からの転載
コートの中もベンチでも、橋本竜馬は常に声を張り上げチームを鼓舞する。たとえ敗戦の色が濃くなっても「最後の1分1秒まで絶対あきらめない」と言い切るファイターだ。
今季の目標はもちろんキャプテンとしてシーホース三河をBリーグ優勝に牽引すること、そのためには「ただの熱い男ではなく、自分だけにできる何かをプラスしていきたい」と頼もしい顔を見せた。
── レギュラーシーズンもいよいよ終盤に入り、チャンピオンシップを見据える戦いが続きます。コートの中で自分が果たすべき役割はなんだと思いますか?
NBAを見ていても、ヨーロッパのバスケットを見ていても、やっぱり最終的にはディフェンスをいかにやるか、やりきるかが鍵になると思えるんですよね。ポイントガードというのはそのディフェンスを1番最初に始めるポジションです。僕の後ろにみんながいて、僕の背中を見ているわけですから、あいつがあれだけやっているんだから俺たちもやらなきゃいけないと思わせるプレーをしなきゃならない。プレーというか『姿勢』ですね。その姿勢を見せることが僕の役割であり、それはずっと変わることなく貫いてきたことです。
── それはキャプテンという立場にも通じるものですね。
そう思います。キャプテンといってもいろいろタイプがあると思いますが、僕は声を出し、チームを鼓舞して引っ張っていくタイプなので『まず自分から』というのはいつも頭にあります。
── 普段からそういうタイプなのですか?
あっそれは違いますね。基本、自分はテキトーな人間で普段はダラダラしてます。多分バスケットをしてなかったら、テキトーでダラダラした人生を送ってたでしょうね(笑)。人として少しは成長できたと思えるのはバスケットをやっていたおかげです。バスケットをやっていてほんとに良かったです(笑)。
── それはちょっと意外でした。
どっちかと言うとコートの上のイメージから『熱い性格』に見られがちなんですけど、実際は小さなことで悩んだりもします。結構1人でウジウジ(笑)。
── 誰かに相談したりはしない?
しますよ。バスケットとは関わりのない友だちに相談することが多いかな。バスケットを知らない人の方が自分とは違う視点で見て客観的なことを言ってくれるので、ああこういう考え方もあるのかと思ったり、ちょっと視野が広くなるような気がします。
── 橋本さんはいつも仲間に囲まれているイメージがありますね。
そうですか(笑)。まあ性格的にこの人は苦手というのはあまりなくて、みんなでワイワイやるのも好きです。チームの中でも全員としっかり話しますね。話すことでその人を知るというか、コートで見るのとは違う面がわかると、逆にコートの上での接し方も変わってくる。そういう意味でも『話す』ことはすごく大切だと思っています。誰とでも分け隔てなく話せることは自分の強みかもしれません。