※本記事はバスケットボールスピリッツのWEB化に伴う、2017年2月末発行vol.6からの転載
桜花学園時代は、常に日本一をめざす環境にいた。その後に進んだ山梨学院大学は関東大学女子リーグ2部であり、足並みが揃わず戸惑いもあった。1部昇格こそ叶わなかったが、3年次には2部チームとして史上初のトーナメント優勝へと導く。その成功体験を糧に、Wリーグへの挑戦をスタートさせた菅原絵梨奈。ルーキーとして唯一、オールスターゲームに選出された。しかしチームはプレーオフに進出できず、早々に今シーズンを終えている。駆け抜けたルーキーシーズンを振り返ってもらった。
── プレーオフに届かず、早くもオフシーズンに入ってしまいましたが、どのようなシーズンでしたか?
1次ラウンドは試合毎にチームが伸びていき、上位チームとも競り合える力が付いていったと感じられ、オールジャパンではデンソーに勝つことができました。でも、2次ラウンドは急激に失速してしまいました。相手も勝ちたいという気持ちが強い中で、それを上回ることができずに負けてしまいました。私自身も1次ラウンドはスタートで出させてもらっていましたが、求められていることをコートで表現できず、プレータイムを思うように伸ばすことができませんでした。シーズンを通して良いパフォーマンスを保つことができず、逆に下がってしまい、すごく悔しいシーズンでした。
── 上位チームと対戦して得たものや違いはどう感じましたか?
全員でディフェンスの意識を高く持ってできた時は、その良いリズムをオフェンスにつなげることができ、自分たちのバスケットができていました。しかし相手が大きくなると、内容は良くてもリバウンドの部分で大差が付いてしまい、そこからディフェンスが崩れてリズムを上げることが難しくなります。自分の身長(177cm)でも、しっかりボックスアウトをすれば相手が大きくてもリバウンドを取ることができると思っています。体を張ることの大切さを学んだシーズンでもありました。渡嘉敷(来夢)さんや間宮(佑圭)さん(ともにJX-ENEOS)と同等にできるくらいにはなりたいと思いましたし、学ぶことも多くありました。リバウンド時に徹底的に相手をペイントエリアに入れなかったり、もし入られても先に飛び、ボールをつかめなくても弾き出すとか、チームのために体を張ってプレーしているのは勉強になりました。自分もやらなければいけないと感じました。
── 先輩には渡嘉敷さんもいた桜花学園では練習中から日本一をめざしていたと思いますが、その後、1部昇格が目標の山梨学院に行ったことでギャップはなかったですか?
1部に上がりたいという気持ちを強く持って入学しましたが、実際その思いには個人差がありました。同じ目標に向かっていないといくら練習をしてもなかなか一つにはなれません。歯車が噛み合わず、これではダメだと思い、みんなで話し合いました。下級生が遠慮して上級生に意見を言えない状況をなくし、自分たちがどこに向かうのかを明確にしました。その結果、3年次の春のトーナメントで2部ながら史上初めて優勝することができ、1部のチームと対等に戦えました。みんなが同じ方向を向かないと、いくら一人ががんばっても、いくら上手い選手がいても勝てるチームにはならないです。