※本記事はバスケットボールスピリッツのWEB化に伴う、2017年2月末発行vol.6からの転載
昨シーズンインカレ3連覇という偉業を成し遂げた筑波大。キャプテンを務めた生原秀将はリンク栃木ブレックス入団が決まり、エースの杉浦佑成も3年生ながらサンロッカーズ渋谷の特別指定選手としてBリーグの舞台に立った。そして、日本代表入りした馬場雄大は日本の次代を担う選手として大きな注目を集めている。明るく、真摯に、たくましく、それぞれ新たな目標に向かってスタートを切った3人に今年に懸ける意気込みを聞いた。
── 早いもので馬場選手、杉浦選手は最終学年を迎えます。時間を遡ってなぜ筑波大に進むことを決めたのか、その経緯を聞かせていただけますか?
杉浦 高校のときからずっと雄大はすごい選手だと思っていて、できたら一緒にプレーしたい気持ちはありました。僕の中で筑波に進む気持ちが固まり始めていたころ、何だったかは忘れたけど雄大に電話する用事があって、そのとき「俺、筑波に行こうと思ってるんだけど」と言ったら「俺もそう思ってる」と返ってきて、その瞬間、いいじゃん、いいじゃんとなって心が決まったという感じです。
馬場 僕も同じですね。高校(富山第一高)ではずっと自分がやらなきゃ、やらなきゃと思ってプレーしてましたが、佑成とやったときものすごく楽になったんです。あっバスケットってこんなに楽なんだって感じました。
生原 雄大は高3の国体のときに筑波に来て練習試合をしたんですが、体が大きいのに動きがすごくてみんなで『おおっ』って感じで見てました。佑成は筑波入りが決まってから1人だけ早く練習に来てたんですけど、やっぱりインパクトがありましたね。あんまりすごいので当時の4年生が握手を求めに行ったぐらいです(笑)。2人ともいきなりスタメンになりましたが、みんなが実力を認めていたので不満に思う者は誰もいませんでした。飛び抜けた実力の1年生が入ってきたことで誰かが腐ったり、やる気をなくしたりするようなことは全くなかったです。こいつらの性格によるところも大きいですね。明るくて、先輩への気遣いもできるから最初から可愛がられていました。
── それから3年を経て、今年は生原選手がリンク栃木ブレックス、杉浦選手がサンロッカーズ渋谷の特別指定選手になり新たな挑戦が始まりました。
生原 全ての面ですごく勉強になっています。栃木入りを決める前に藤岡(麻菜美・筑波大卒、現JX-ENEOSサンフラワーズ)さんに電話で相談させていただく機会があってそのとき藤岡さんが「JXには吉田亜沙美さんというすごいPGがいるだけじゃなくてどのポジションにも日本を代表するような選手が揃っている。その中でプレーできることは大きな経験になるよ」とおっしゃって、栃木も同じように田臥(勇太)さんをはじめ日本代表クラスの選手が揃っているチームですから、そういう環境でやることで成長できるのではないかと思いました。ずっとあこがれていた田臥さんはすごく気さくな方で、いつもわかりやすくアドバイスしてくれるので、それが嬉しくてやりがいも感じています。
杉浦 僕はまだ学生ですけど1月は丸々オフになるし、それならば特別指定で入ってトップリーグを肌で感じてみたいと思いました。今は筑波からSR渋谷の練習場まで通っています。SR渋谷の選手はどちらかというと無口で怖いイメージがあったんですけど全然違っててみんなすごく優しい人ばかりで安心しました(笑)。話題の(ロバート)サクレ選手はすごい人です。