※本記事はバスケットボールスピリッツのWEB化に伴う、2018年7月末発行vol.23からの転載
Bリーグのスタッツ表の一番右側に表示される『EFF』という数字に注目したい。弊誌Vol.12にて、小宮邦夫さんがやさしく教える「バスケ基本のキ」でも紹介された『EFF(Efficiency)貢献度』を表している。得点やリバウンドなどチームを勝利に導くポジティブな数字からシュートミスやターンオーバーなどネガティブな要素を引くことで、選手の貢献度が算出される。これ以外にも選手の活躍を導く計算式はあるようだが、Bリーグはもちろん、NBAやFIBAでも採用されている『EFF』はMVP選考に役立てたいと感じていた。
弊誌アワード選考委員会はファイナルの興奮冷めやらぬ時期にひっそりと行われた。MVP候補としてノミネートしたのは比江島慎(シーホース三河・現栃木ブレックス/BリーグMVP)、田中大貴(アルバルク東京/BリーグチャンピオンシップMVP)、桜木ジェイアール(シーホース三河)、アレックス・カーク(アルバルク東京)、そしてギャビン・エドワーズ(千葉ジェッツ)の5名である。残念ながら比江島は早々に消えた。逆に8割のシーズン最多勝率を挙げた立役者として桜木を推す声は大きい。対抗としてBリーグを制した田中やカークの存在が我々の頭を悩ましていく。
MVPの選考は印象ではなく、チームの勝利に貢献した選手こそ選ばれるべきだと感じていた。それを評価する『EFF』こそが大きなウェイトを占めるのではないかと訴えてみる。それはすなわち、昨シーズンのMVPであるニック・ファジーカス(川崎ブレイブサンダース)と同様に、当面は外国籍選手または帰化選手しかノミネートされないことを意味する。今シーズンの『EFF』トップは得点王となったダバンテ・ガードナーの31、ファジーカスが30と続く。日本人トップは18の宇都直輝(富山グラウジーズ)だが、上から数えて15番目だった。