60試合に及ぶレギュラーシーズンも、残すところあと2試合になった。チャンピオンシップや残留プレーオフに絡まないクラブは、今週末が今シーズン・ラストゲームになる。ワイルドカード争いをしていたサンロッカーズ渋谷だが、前節の栃木ブレックスに連敗したことでその望みは潰えてしまった。青山学院記念館でのホームゲーム最終戦を前に、「清水太志郎選手 現役引退のお知らせ」という寂しいニュースが流れてきた。
実は──ベスト5+1のインタビューを行った後、そのことはすでに耳にしていた。半分冗談だと思って聞き流していたが、本当に決断したようであり、お疲れ様でした。14年間プロ選手として活躍してきたが、その道のりはけっして平坦ではなかった。故郷の宮崎県にプロクラブがあったが、今はもうない。プロとしての厳しさを痛感してきたからこそ、3年目のBリーグに警鐘を鳴らす。清水太志郎選手の熱い思いをここに残しておこう。
── bjリーグ元年からプロとして活躍してきた清水選手にとって、Bリーグになった今はどう見えてますか?
プロ意識はbjリーグの方が比べものにならないほど高かったです。それは選手もフロントも含め、バスケでメシを食っていかなければならないという意識が違いました。常にどうすれば盛り上がるか、選手もフロントも真剣に考えていました。先に踏み出した分、その差はまだあると感じています。
しかし、プレー面で元のNBLとbjリーグを比較すれば、ディフェンスが一番違います。B2には元bjリーグのチームが多く、その試合も見ていますがノーマークでのシュートはB2の方が多いです。シュートが入る入らないは別にして、やっぱりディフェンス強度の違いは感じてしまいます。そこにプラスして体の大きさや試合の流れを読む力や戦術は元NBLの方が上だと言えます。例えば、元bjリーグの選手たちがカバーして守らなければいけない場面でも、元NBL選手は一人でファイトオーバーして打開できるフィジカルがあります。オフェンスよりもディフェンスの違いをすごく感じます。
── Bリーグも3年目を迎え、意識は高くなっていますか?
B1にいる元企業チームの選手にとって、プロとはこんなものだということを肌で感じるとともに、選手自身からその違いを聞く機会もあります。スポンサーとのつながり、イベントやクリニックへの参加などはこれまで企業チームにはほぼなかった文化です。その活動に参加することで、少しずつ選手の意識が変わっていることは感じています。ただ、相反することですが、みんな何かしなければいけないことは分かっていても、シーズン中やオフでも何かイベントに参加するときにまだ面倒くさいという部分が勝ってしまっています。そこを無くしていかなければいけません。