part2より続く
求めるのは、ミスをしない安定力とミスを恐れない積極性
Bリーグが発足して3年、初代新人王のベンドラメもプロ選手として同じだけの時間を重ね、今ではサンロッカーズ渋谷を牽引する“主軸”と言われるようになった。今シーズンは3月17日現在47試合全てにスタメンとして出場し、平均プレータイム28分、平均得点10.7、平均アシスト4.3のスタッツを残している。「昨シーズンからチームの中心になってやっている自覚はありますし、自分の責任が重くなったのも感じています」。今シーズンは出足から連敗の苦しみを味わい、2点差、3点差で競り負けした試合では「あらためてポイントガードとして自分の責任、力不足を感じた」という。「でも、負けた試合を自分が引きずっていたらチームに悪い影響しか与えないことはわかっていますから、修正すべきことは修正して、気持ちを切り替えて次に向かう。正直、時には難しいこともありますが、次の試合はすぐやって来るので暗くなっている暇はありません」
現在は状況によって1番も2番もこなすが、課題として挙げたのは、自分が行くときと周りを生かすときの『的確な判断力』だ。「この課題は毎年挙げているような気がします。ルーキーシーズンのころは視野が狭くてドライブしたら絶対シュートまで行っちゃうところがありました。周りが見えてないからパスを出す選択肢が頭の中になくてそのまま突っ込んじゃうんですね。まさに無謀なドライブ(笑)。今はそれも少しずつ改善できてるなとは思いますが、まだまだです」
ベンドラメの持ち味はなんといってもそのアグレッシブさにある。果敢に攻め、執拗に守り、隙あらばスティールを狙う積極性が武器であり、同時に魅力でもあるが、時としてそれがターンオーバーにつながる場面も少なくない。「ミスを減らすこと」もまた変わらず挙げる課題の1つだ。しかし、ミスを恐れて積極性を失うわけにはいかない。「それが難しいところです。ミスを意識し過ぎると自分らしさがなくなってしまうので、これもまた改善中の課題ですね」。心がけているのは、苦境のときも自分の武器で突破口を開き、チームを勢いづける存在になること。サンロッカーズでは日本人選手はもとより、大黒柱のロバート・サクレは「迷わず打て!」と、自分を鼓舞してくれ、クレバーな選手として一目を置くライアン・ケリーもまた随所で的確なアドバイスを与えてくれる。「いいメンバーに恵まれていると思います。だからこそこのチームで勝ちたい。そのためにもアグレッシブでありながら安定感があるガードという課題に挑み続けていくつもりです」