インカレ2018が開幕した。今年の4つ角を陣取るシード校は一番手に早稲田大学(関東1位)、続いて白鷗大学(関東2位)と東京医療保健大学(関東3位)と関東勢が名を連ねる。4つ目は、昨年のインカレにて鹿屋体育大学が4位になったことで九州1位に割り当てられた。九州リーグを全勝で勝ち上がってきた福岡県の日本経済大学は奈良学園大学を75-68で下し、順当に初戦を突破する。
九州リーグ得点王の#00 マレム・ドイ・ダラーメ選手(3年)は190cmの長身を生かし、30点/15リバウンドを挙げて勝利を呼び込んだ。ダラーメ選手が加入した2年前が初のインカレ出場であり、今年で3年連続となる。初出場したときも初戦は奈良学園大学であり、そのときもダラーメ選手は同じく30点を記録している。今年はさらに#34ニアン・ンディ ・クンバ選手(1年)が加わり、190cmのバックアップがいるのも心強い。クンバ選手は一関学院高校出身、昨年のウインターカップ1回戦の龍谷富山高校戦は33点/16リバウンドを挙げ、記憶している方も多いことだろう。
大きな留学生に目を奪われてしまいがちだが、「周りの選手たちががんばることで、より留学生を輝かせることができます」と案浦知仁ヘッドコーチはチームケミストリーを大事に強化してきた。「インサイドを止められても、他の選手たちが本来持っている力を出せば良いだけです。実は、アウトサイドシュートが得意な選手が多い」と言う。初戦は堅くインサイドを重点的に攻めてしまったことを反省点に挙げており、九州の3Pシュート王である#13喜多伊綾選手(3年)もいる日本経済大学の本領発揮はこれからだ。
4年生で唯一先発を任されている#33江口詩織選手。3年連続3回目のインカレ出場だが、「まだ慣れないところもたくさんありますが、この経験を少しでも多く後輩たちに伝えられるようにしたいです。4年生にとっても集大成なので、思う存分楽しんで思いっきりプレーして勝ちに行くだけです」と抱負を語り、掲げた目標は「インカレベスト4」。
「昨年、鹿屋体育大学がベスト4に入ってくれたことは同じ九州勢としてうれしい反面、(日本経済大学は2回戦で負けてしまい)悔しい思いもしました」と案浦ヘッドコーチは複雑な思いでシード枠に収まっている。だからこそ、「今度は自分たちが4強に入って、本当に喜べるようにがんばろう」と今シーズンがはじまったときから努力を続けてきた。江口選手も、「せっかくもらったシード枠なので、しっかりと生かして、『九州勢も負けないぞ』というところを見せたいです」と力を込める。
過去2年間はいずれも2回戦敗退。12月12日(水)11:40から駒沢オリンピック公園総合運動場屋内球技場で行われる2回戦の相手は関東2部Aブロック3位の日本女子体育大学(関東11位)に決まった。大阪人間科学大学(関西2位)に83-78で競り勝ち、2部とはいえ関東勢の実力を示している。「3回しか出場したことがない我々はチャレンジャー。シードなど関係なく、プライドを持って戦っていくだけです」と案浦ヘッドコーチは気を引き締める。
ベスト8入りが目先の目標となり、そこに達することができれば最終日まで試合が続く。江口選手が言うように、後輩たちに多くの経験を積ませることだってできる。江口選手ら4年生にとっては、真剣にバスケに打ち込むのも「本当にこれが最後なので、思いっきり悔いを残さずに戦っていくだけです」。鬼門ともいえる2回戦突破を目指す。
文・写真 泉 誠一