国歌が流れるとき、キャプテンの吉田亜沙美は常に一点を見つめ、集中を高めている。それが終わるといつも左胸で拳を握り、臨戦態勢へ。
国際親善試合等、ケガで出場していなかった髙田真希がこの試合からスタメンで復帰。経験豊富なベテランは積極的なアタックで10得点をマーク。
フィリピン戦では見せていなかったフルコートのプレスディフェンスで、韓国からターンオーバーを誘う。バリエーション豊富なディフェンスは日本の武器だ。
13得点の長岡萌映子。積極的なアタックで、強引ともいえるシュートをねじ込んだときのモエコは止められない。
韓国のハードなディフェンスにボールを失いかける吉田。しかし簡単には譲らない。両者の目がその思いの差を物語っている。
パワーフォワード、もしくはセンターのバックアップとしてゲームに出場する河村美幸。けっして派手さはないが、堅実なプレイでチームの勝利に貢献する。
序盤こそ空回りからか立て続けにファウルを2つ犯した大崎佑圭だったが、ベンチで頭を冷やしてカムバック。後半はこのドライブで相手のビッグマン、パク・ジスを4つ目のファウルに追い込んだ。
なかなか当たりのこなかった近藤楓が、第3Qに決めたこのシュートで得点差は20点に。結果としてこの3ポイントとレイアップ1本に終わったが、これで気持ちも吹っ切れるはず。
終盤に追い上げられるが、ベンチは明るさを忘れない。こうした、ちょっとしたことも短期間の国際大会では非常に重要な要素となる。
終盤、韓国にリバウンドを奪われ、点差を縮められた日本。嫌なムードが漂う中で藤岡麻菜美が自らのドライブで雰囲気を変えた。指揮官も絶賛のドライブ。
文・写真 三上 太