ビールとバスケをこよなく愛する勉族が今年で10周年を迎えた。観客を笑顔に変える “笑バスケ” という独自スタイルを築き、唯一無二の存在感を示しながら走り続けて早10年。楽しくバスケを10年間続けることはさほど難しいことではないが、勉族が求めるのは自分たちも楽しく、そして見ている方々をも楽しませるエンターテインメントバスケは、なかなか容易な道ではない。
90年代、NBAレジェンドであるマジック・ジョンソンがオールスターを率いて何度か来日し、その妙技を目の前で見ることができた。笑顔がトレードマークのマジックが、ニコヤカにノールックパスを出し、そしてベビーフックを決める。しかし、ディフェンスや相手を抜き去る時など、ほんの一瞬だがトレードマークが封印される。その眼光鋭い表情を見た時に、マジックの凄さをまざまざと感じた。華やかさの裏には真剣さがあり、努力もあるだろう。
それは勉族も同じではないか!? その疑問を代表のぬまにぶつけてみた。開口一番、「マジメに話しますよ」と、釘を刺されたインタビュー。笑いの裏側を紐解いていく。
相手をこらしめてナンボ
「バスケがハンパなく好きですね。そして、勉族を好きになってくれた若い連中が今は引っ張って行ってくれています」
ぬまや仮エースという強烈なキャラクターがまだまだチームを表立っているので分かりづらいが、若手も入って来ている。しかし、コート上ではチームの底上げにはなっていないと不満もあるようだ。
「世代交代したいって前から言ってますよね。少しずつ変わりつつありますが、まだダメですね。相手を削るような強い気持ちでやらないとダメですよ。相手をこらしめてナンボ。気持ちがまだ追いついていない。アイツらのプレイを見ていると、ホントに勝ちたいの?って思っちゃいますよ」
その厳しさは、勉族が誕生した10年前から持ち合わせていたのだろうか?
「う〜ん。負けたくないという気持ちはありました。それ以上にみんなと違うスタイルのバスケをしたかった。それはLEGENDやHOOPERSが与えてくれたきっかけでもあると思います」
個人のボーラーにスポットライトを当てて、一時代を築いたストリートボールシーンがLEGENDだった。そこでぬまや仮エースの個性が開花され、そして今の地位を確立していった。それに伴い、勉族のコンセプトである“笑バスケ”もまた、確固たるものになって行く。
「10年前からコンセプトは変わらずにとにかく試合をやりまくって、みんなで騒ぐ。ぶっちゃけ負けても、みんなで騒ぐ。でも最近はちょっと疲労が抜けず、負けたら帰るになってきまってしまってますけど…(笑)。今じゃ、みんな子供も生まれて家庭もあるしね。大人になってきて、オレたちだけだったら勉族も終わってたかもしれない。そこに下の世代が入って来てくれたおかげで、まだ続けられる。さらに下の世代が入って来て、もっと続けていきたいですね」