2月7日を以てSMBC TOKYO SOLUAの1年目の挑戦が幕を閉じた。この日はアリーナ立川立飛に山梨クィーンビーズを迎え、67-84で敗戦。Wリーグ参入初年度は6勝18敗、Wフューチャー7チーム中5位という成績で終えた。
三井住友銀行入社11年目、社会的価値創造推進部に籍を置く久冨彩乃は、SMBCのリーグ参入にあたって主導的役割を果たした1人だ。その奔走ぶりはチームの公式YouTubeでも紹介されている通り。久冨の熱意が、企業としての一大プロジェクトを前進させたことが窺い知れる。
久冨は既に一度引退していたが、リーグ参入に伴って「1年だけ」と決めて現役に復帰した。その責任感も含め、リーグ参入への想いを改めて語ってもらった。

「仕事もそうなんですけど、男性と比べて結婚・出産で諦める人が多いというのがなんか耐えられないな、どうにかならないかなと思って……立場的には、ぶっちゃけ選手はしなくても良かったんですよ。事務局だけやってても良かったんですけど、実際に両立する大変さをわからないと難しいと思ったんです。他の選手たちに対して『これできるでしょ』って思っても、自分がやってないからわからない。一緒にやることで、こういう制度があったらとか、会社のこういうサポートがあったらとか、それを実際に感じて整備するということはできたと思います。SNSのコメントを拝見してても、今回のコンセプトに共感してくださる方は結構いると思うんです。島村(きらら)がセカンドキャリアを心配してたというのがYouTubeにもありましたけど、若い子や学生たちが何かを犠牲にしてバスケットを辞めるんじゃなくて、どちらも選べる第3の選択肢があってもいいという一つの希望になってたらいいなって思います」
プロジェクトを進めていく上では、当然ながら苦労も多かっただろう。しかしながら、プロジェクトは大きくなればなるほど、周囲の理解と協力がなければ成立しない。久冨はそのことに感謝の念が尽きず、1シーズンを全うできた今は特にチームメートの存在にこの上ない感慨を抱いている。
「自分だけの力じゃなく一緒に事務局をやっているメンバー、会社の経営層も含めてたくさんの人に支えていただいて参入できましたし、チームとしてもゼロからのスタートで、コーチを集めるところから始まって、今野(駿ヘッドコーチ)さんに来てもらってスタッフが集まっていって、戦っていけるところまで体制を整えてくれたおかげで今があると思ってます。
選手たちも、新人と移籍以外の選手はもともとサラリーマンで普通に仕事をする環境からの変化があった中、気持ちの整理ができてたかどうかはわからないですけど、全員が『Wリーグでやりたい』と言ってチームに残ってくれて、このメンバーで1シーズン走りきることができたということに本当に感謝です」

Wリーグ参戦により、選手の生活スタイルは一変した。会社員としての業務がベースになっていた日常の行動に、もう一つの軸としてバスケットが加わった。それも、仕事と同等の太い軸として。チームメートを間近で見ていた久冨は、バスケットと向き合う姿勢が日を追うごとに前のめりになっていくのをひしひしと感じていたという。
「それまでは社会人リーグだったので、残業があったら練習に行けませんとか、食事も好きなものを食べたり普通に飲み会に行ったりという感じだったんですけど、今は仕事が終わった後に練習に行って、夜遅いので管理栄養士にカロリー計算してもらったお弁当を用意してもらってますし、選手全員が食事以外にも体のリカバリーとか時間の使い方もすごく気にしながら過ごしてきて、バスケット以外のところでもみんな考え方が変わったんじゃないかなというのがあります。リーグ戦を重ねていくにつれて、もっと上のレベルを目指さなきゃいけない、強くなるために何が必要かということを考えてやってたと思うので、より一層選手の意識がどんどん変わってきてるなと感じました」











