Wリーグプレミアはあっという間に各チーム22試合を消化し、レギュラーシーズンも残り6試合と佳境に入っている。もちろんプレーオフの枠を巡る争いが注目される局面だが、プレーオフの可能性が既に消滅しているチームにとっても、残りの試合は意味のあるものでなければならない。
リーグが2ディビジョン制に移行した昨シーズン、Wフューチャー初代女王となってWプレミア昇格を果たした東京羽田ヴィッキーズだが、得点源の髙原春季を筆頭に開幕前から故障者が相次いだということもあり、今シーズンはWプレミアの壁にはね返されている。そんな中で光明の一つが、松本新湖の台頭だ。

1月5日に行われた皇后杯ファイナルラウンドの初戦、今治オレンジブロッサムと対戦した東京羽田は、第1クォーターと第3クォーターをいずれも7失点に抑え、92-54と貫禄の勝利。22分6秒に出場した松本は、得点こそ6点止まりながら、7アシスト3スティールというスタッツを残している。ただし、ターンオーバーが多かった点は本人もしっかり受け止めている。
「前半は相手のディフェンスに対するアジャストが遅くなってしまって、何回も同じミスを繰り返してたので、早めに対応できてたらもっと早く自分たちの流れをつかめたのかなと思います。後半は少しずつ慣れてきて良くなったんですけど、自分自身もアジャストが遅くて、個人としてもターンオーバーが多かったのは反省点です」
昨シーズンの東京羽田は個々の役割分担が明確に分かれ、ほとんどの選手がポジションを固定されていたのに対し、今シーズンは怪我人が1・2番ポジションに集中していることを受け、ラインアップに四苦八苦。本橋菜子と吉田沙織というポイントガード2人をスターター起用するなど、やや小さめのラインアップを組む時間帯が長く、その中で松本もローテーションに入っている。元来シュート力の高い選手だが、東京羽田ではハンドラーとしてもプレー。ボールを持つ時間が長いことが、この試合で7アシストという数字を生んだ要因でもある。
そんな松本も、アーリーエントリーで入団した昨シーズンは出場機会がほとんどなかった。「プレミアに行けるか行けないかの争いをしてる中で、全員が一丸となってプレミアに行くという気持ちを高めてるのを間近に見てて、私はプレーはなかなかできなかったですけど、声出しとかで一緒に戦えたのは良かったです。先輩たちが温かく迎え入れてくれたので、ずっとこのチームにいたかのようで嬉しかったです」とチームの輪に入っていったが、入団前の時点でチームオフェンス、チームディフェンスが機能し、一体感がある中で即戦力としてローテーションに入るのは難しかっただろう。萩原美樹子ヘッドコーチも当初はそれほど大きな期待をかけていなかったと打ち明ける。

「別にあなたが良くて試合に出してるわけじゃない、人がいないから使わざるを得ないんだよということは本人にも言ったんです。でもそれをチャンスととらえて、ものにできるかどうかは自分次第という話もしました。あの子の良いところは、そういうことを言われてもくさる子じゃないということ。ターンオーバーすると私も怒るんだけど、それで心折れる感じがなく、淡々と次に向かっていくところがあるんですよ。ある意味メンタルが強いので、非常に貴重な戦力です」











