首位・富士通との延長戦を制した静岡ホームゲーム
Wリーグ プレーオフにおいて、過去3シーズンはセミファイナルまで勝ち進んできたシャンソン化粧品 シャンソンVマジック。レギュラーシーズンの成績こそ、2021-22は6位、2022-23は7位でプレーオフへ滑り込む。上位チームをアップセットで退け、4強入りを果たしてきた。昨シーズンも5位でセミクォーターファイナルからスタート。アイシンウィングス、そして過去2シーズン苦しめられたトヨタ自動車アンテロープスを破り、ベスト4へ進出。チャンピオンとなった富士通レッドウェーブに一矢報いるも1勝2敗で敗れ、3年連続4位。レギュラーシーズン以上の成績を残すシャンソンは、相手にとっては厄介な存在だ。プレミアとなった今シーズンは残り2試合を残し、15勝11敗の3位(※3月2日現在)。上位4チームで争うプレーオフ進出をすでに決めている。
2月のユナイテッドカップを優勝したシャンソンは、準決勝で主力を温存した富士通に82-69で勝利。しかし、レギュラーシーズン1巡目は2連敗している。3月1日(土)・2日(日)の2巡目は、沼津市総合体育館で開催。静岡県を拠点とするシャンソンにとって、今シーズン初となる真のホームゲームを迎えた。
「ピンクに染まった会場でプレーできる選手たちは本当に幸せだと思う。そこを活力に変えて戦えたことを、この2試合では本当に感じた。会場の声援がかなりのパワーになっていた」と指揮を執る濱口京子アシスタントコーチは盛況だったホームゲームに感謝する。
プレーオフに出られるのは4チームのみ、現在首位に立つ富士通といきなり対戦する可能性もある。ケガにより長期離脱中の林咲希を除き、主力が戻ったディフェンディングチャンピオンを相手に、土曜ゲームは66-69で3点差の惜敗。ジョシュア ンフォンノボン テミトペに18点、町田瑠唯と宮澤夕貴にはそれぞれ16点を許した。2戦目へ向け、「町田選手に得点を取られるのはしょうがない」と濱口コーチは戦略を練って臨む。シュートは水物であり、落ちるのを祈るのみ。しかし、この日は3ポイントシュートを5本放って3本成功。2ポイントシュートも合わせ、11/17(64.7%)と絶好調の町田に25点を決められた。アシストも14本、リバウンドは8本とトリプルダブルに迫る活躍だった。
作戦として町田の失点も止むなしだったが、「自分の責任です」という小池遥がマッチアップしていた。「瑠唯さんに対する守り方は練習してきたのですが、駆け引きがうまくできずに25点を許してしまいました。でも、それをプレーオフ前に経験できたので、次は自信を持ってディフェンスできるようにしたいです」と前向きに捉え、スイッチして対応できた時間帯も収穫となった。
日曜ゲームの第3クォーター残り3分、白崎みなみが3ポイントシュートを決め、シャンソンが最大14点リードする。この時間帯まで宮澤を5点に抑え、シュートを打つ機会も与えていなかった。しかし、終盤にスコアラーが目を覚まし、残り4分の3ポイントシュートで同点に追いつかれ、さらに連続得点で65-67と逆転される。残り時間が少なくなる中、「スタートメンバーが疲れきっているのは分かっていました」と白崎は冷静に状況を判断する。濱口コーチも「リングへアタックに行け」と指示を出す。残り7秒、宮澤が2本目のフリースローを外し、68-70。2点を追うシャンソンはイゾジェ・ウチェがリバウンドを取るや否や、一直線にゴールへ走る白崎が速攻を決めた。
「1番元気な自分が点を取りに行こうと思っていました」と話すとおりの活躍で70-70と同点に追いつき、延長に突入。どちらに転んでもおかしくない接戦が続く。決着をつけるラストゴールも白崎が決め、78-77でシャンソンが勝利。この1勝により、2015-16シーズン以来、すべてのチームから白星を挙げることができた。