「4年目にもなると自分たちは支えられてるんだなというのを感じますし、長ければ長いほど山梨に愛着が湧いて、ファンの人たちのために頑張りたいという想いはすごく強いです。新しい人もどんどん入ってくるけど、それに負けないようにコートで気持ちを出したい。今日も会社の人が高崎まで来てくれて、自分はたくさん応援してもらってるし、そういうのを感じるとやっぱり選手はコートに立ってなんぼだと思うし、活躍してる姿が一番喜んでもらえる。ファンの皆さんに恩返しするためにも、自分のキャリアのためにも、もっともっと頑張らないとなって思いますね。今はあまりないですけど、昨シーズンまでは強豪相手でどれだけ点差が離れても、声を絶やさないで応援してくれる人たちがいるから、自分はここでバスケットを諦めずにできてる。ものすごいモチベーションになってるし、本当に感謝しかないです。苦しいときに後押ししてもらってる分をまだ返せてないので、結果で応えられるように頑張りたいです」
これはWフューチャーの多くのチームに言えることだが、山梨も環境面で恵まれているわけではない。選手たちはスポンサー企業に勤務しながら、限られた時間でバスケットに取り組んでいる。それを言い訳にするのか、エネルギーに変えるのかは本人次第。バスケット一筋に打ち込むことがベストとは限らず、それこそ個々の受け止め方による。山梨クィーンビーズの環境は、濱西に多くのプラスをもたらしている。
「仕事をしながらというのも、自分はマイナスだと思ってないんです。会社の方々が応援してくれるし、仕事しながらバスケットしてる自分たちにしかわからないこともたくさんある。働いてることも良い影響をバスケットに及ぼしてると思うし、自分は良い経験をさせてもらってるなと思います。もちろん練習時間が短いとか、活動拠点になる体育館がないというのはありますけど、『自分たちは不利だ』って思っちゃったら不利になると思います。1日中バスケットができる企業チームもすごく良い環境だと思いますし、そういう所でやってみたいと思ったこともあるんですけど、社会を経験したり、人のありがたみを感じられるというのはどこであっても良い環境だと思うし、その分自分たちは応援してもらえてる。チームの全員がこの環境を嫌だとは思ってないし、みんな成長させてもらってます。応援してもらってるありがたさ、バスケットができることへの感謝というのは、学生の頃までとは考え方が本当に変わりました。それまでわからなかったことを、ここでしか感じられなかったと思います」
第7週の連勝によって勝率5割も見えてきているとはいえ、Wプレミア昇格を目指す上で苦しい星勘定であることに変わりはないが、濱西はあくまでも前を向き、チームのあるべき姿を見据えて戦い続ける。
「シーズンの半分くらいが終わって、なかなか勝ち数を稼げてないというのは苦しい状況ではあるんですけど、まだ10試合以上あるということは、成長できるチャンスもまだまだある。目の前の試合を勝ちきることで、何か最後にチャンスがあればいいと思うので、そこへの意志、チームの目指す方向性を持って全員で気を引き締めて、1試合1試合を大切に戦っていきたいです」
文・写真 吉川哲彦