2ディビジョン制となり、Wリーグフューチャーで迎えた6チームはいずれも勝率アップの期待が高かった中、山梨クィーンビーズが第6週の時点で4勝8敗と黒星が先行していたのは意外に感じられる。開幕4連敗に関しては、その相手が首位争いを演じている東京羽田ヴィッキーズと三菱電機コアラーズであることを考えれば、結果的には力負けと受け止めざるを得ない面もあるだろうが、その後も五分の星取りとなったのは痛かった。
前週に続いてWフューチャーの6チームが集結した11月23日は、第5週のGAME2で黒星を喫した新潟アルビレックスBBラビッツとの3度目の対戦だった。結果としては、前半に奪った14点のリードが効き、前回の借りを返すことができたが、スコアは61-60とわずか1点差。最後の3分32秒は0-10のランであわや逆転負けの危機だったため、濱西七海のコメントもどちらかというと反省の言葉が目立つ。
「前回の新潟戦は1勝1敗で悔しい思いをしたし、自分たちは今5位で、相手は上位なのでこの一戦はすごく大事でした。入りから良いプレーが続きましたし、勝ちきれたのは良かったと思うんですけど、最後ああいう試合になってしまったのは、まだ自分たちにどこか隙があったかなというのが見えるので、あの状況にもっていかせないこと、点差を離したときに10点20点差をつけられるチームを作らないといけないし、自分もそれができる存在にならないといけないなと感じました」
この日ベンチから15分6秒出場した濱西のスタッツは3得点1アシスト。自身も「そこまで点を取りにいくタイプでもないですし、バランサーみたいな感じ」と評するように、数字を残すプレースタイルというわけではなく、この出場時間を得ているのは数字に表れない部分の働きによるものだ。上記の出場時間のうち、前半の出場機会は3分20秒のみ。第3クォーター残り1分46秒から試合終了までという追い上げられた時間帯を任されたのは、石川幸子ヘッドコーチからの信頼の厚さを物語る。
「HCとは結構会話するんですけど、『これをやってほしい』とわかりやすく求められることは特になくて、ボールと人を動かしてとか、ここはディフェンスでギアを上げてとか、チーム全体的なことを言われることが多いです。それを自分がコートで一番表現することがチームにとって大事だと思うので、言われたことをしっかりやること、それをチームに浸透させることを意識してやってます」
実力差の小さいチームが集まっている分、Wフューチャーは接戦も多くなっているが、濱西が指揮官からの信頼を得ているのも、ある試合を僅差で落とした後のミーティングにその一因があったそうだ。信頼を勝ち取っている以上は、自身がチームに良い影響を与えなければならないという責任感も増している。
「その試合の残り30秒の攻め方を見直して、HCから質問を受けたときに、自分が答えたこととHCが求めたことが一致した部分がありました。そういうところで少し信頼してもらえたのかなというのもあったので、今回こういうクロスゲームでコートに立たせてもらえたというのはあると思います。バスケットの経験とか考え方をもっと言葉にして、誰が出てもこういうゲームを勝ちきれるようにしていかなきゃなと思います」