「やるべきことをやればと戦えると自分たちを信じることが1番大事」
コート外で過ごす時間も無駄にはできない。「ベンチで見ていると、今ここが大事だというのも分かりやすいです。でも、コートの中とベンチで見ているのでは全然違うので、ボールを持ったときに冷静になって考えることが大事になります」とコート内外で学び続ける。今シーズン迎えた6人のルーキーは、いずれも横山よりも先輩たちばかり。そんな彼女たちの存在も、横山の成長に欠かせない。
「年齢は上ですけど、私の方が先にトヨタに入ったので分かっていることもあります。そこは先輩だからとか関係なく、しっかりと自分が思っていることを話し合っています。またいろんな視点があるので、両方の意見をしっかり引き出すようにしています」
山本のケガは大きな痛手となったが、若い選手たちにとっては「ガードの枠がひとつ空くことはチャンスになる。チームメイトですけど、チームの中でも競っていかなければいけないと思っています。そこはすごく意識してプレーしていました」という心がけがチームを底上げする。大神雄子ヘッドコーチも今シーズンは先発を固定せず、調子の良い選手を見極めてどんどん起用していくことを言及し、競争を煽っていた。
勝ち星のないまま連敗が続いており、責任感の強い横山だからこそ、切り替えるのが難しい性格という印象を持っていた。しかし、そんな心配は杞憂に終わる。それが横山の強さでもあった。
「今シーズンは本当にチームとしてガラッと変わってしまいました。1〜2年目の選手が多くて、これまでは勝つことが当たり前だったトヨタでしたが、それが普通ではなくなり、みんなの気持ちの浮き沈みが少なくともあると思います。でも、やるべきことをやればと戦えると自分たちを信じることが1番大事。落ち込んでいる時間もないので、この2試合を見返して何がダメで今は何をやるべきかを明確にして、次の試合までに修正していきたいです」
今週末(10月26日・27日)は四日市市総合体育館でトヨタ紡織サンシャインラビッツを相手に、ようやく今シーズン初のホームゲームが待っている。
文・写真 泉誠一