1年延期になった自国開催から3年が経ち、オリンピックに燃える夏が到来。3×3に関しては残念ながら日本は男女とも出場権を逃したものの、5人制は今大会も男女揃ってパリへの切符を勝ち取った。男子は昨夏のワールドカップでの躍進を受けて期待は高まる一方。女子も、東京での銀メダル以上の結果が期待されるのは当然のことだろう。
オリンピック開幕が刻一刻と近づく中、Wリーグは例年通りにサマーキャンプを開催。もちろんここには代表選手の姿はないが、自身の成長、チームの飛躍など、それぞれに何かしらの想いを持ちながらひたむきにバスケットに取り組む選手が集まっていることに変わりはない。例えそれがWリーグの選手ではないとしても、である。
社会人リーグの強豪・ミツウロコは、昨シーズンに続いてのサマーキャンプ参戦となったが、7点差と食い下がった初日の三菱電機戦に続き、2日目の山梨クィーンビーズ戦も黒星。2020年の入社ながら在籍歴の最も長い1人である山本加奈子は「プレー1コ1コの強度や精度が低くて相手にやられてしまったり、自分たちがやりたいことができなかったりしたので、その差で点差がついたのかなと思います」と反省しきりだった。
ただ、最後は13点差がついてしまったとはいえ、第2クォーターには27得点を挙げ、前半を終えた時点では2点差だった。山本も「チャンスはあると思いました」と振り返るが、それゆえに、7得点に終わってしまった第3クォーターが悔やまれた。
「前半はターンオーバーが3個くらいだったんですけど、後半は自分たちのミスが目立って、そこから走られて、ディフェンスのコミュニケーションミスもあったり、3ポイントを打たれたくない人に打たれたりというのがありました」
当然といえば当然のことだが、Wリーグ所属でないチームは、このサマーキャンプでは基本的にWリーグのチームとの試合が組まれる。公式戦で対戦するチャンスは皇后杯しかなく、どのチームにとっても絶好の腕試しの機会だ。それはミツウロコにとっても、そして山本にとっても同じ。今の自分に何ができるか、何が足りないかを見極められるのが、サマーキャンプに参戦する意義だ。
「Wリーグにも通用する部分はありますし、社会人リーグではできてもWリーグが相手だと通用しない部分があって、毎回勉強になります。個人的には、3ポイントはある程度通用すると思いますし、ドライブもいけるんですけど、社会人リーグだと決めきれるところがWリーグのディフェンスになると決めきれない。そこは練習するしかないですね」
山本には、キャプテンも務めた大学時代に3×3でプレーした経験もある。森本由樹や有明葵衣、瀨﨑理奈といったWリーグ経験者が集まったTOKYO DIMEの一員として、JBA主催のJAPAN TOURや3×3.EXE PREMIERなどに出場。レベルの高い環境で揉まれ、プレーの幅が広がったという手応えもあったという。
「ドライブにいくタイミングやコース、ディフェンスの強さは3×3ですごく勉強させてもらいました。先輩方にはいろいろフォローしてもらいましたし、面倒を見てもらいました。皆さん大人の余裕があるというか(笑)」