シーズンのラストを飾るイベントとして開催されるようになったWリーグオールスター。アランマーレ秋田・松永夏海の記事に書いたように、筆者としては今回はレギュラーシーズンとプレーオフで記事にできなかったチームを取り上げる最後のチャンスということで、アランマーレを含む5チームをターゲットにしていた。残る4チームからはさすがにこのチームを選ばないわけにはいかず、オールスター本戦からピックアップしたのは富士通レッドウェーブだ。
シーズンベスト5のスモールフォワード部門で2位に入った内尾聡菜は、昨シーズンに続いて2度目のオールスター出場となった。出場にあたっては「他のチームの人は普段喋ることがない人たちばかりなので、喋ってみたいなという人がいっぱいいて、そこのワクワク感がすごくありました」と楽しみにしていたとのこと。実際に試合となると「めっちゃ緊張しました(笑)」ということだが、今年は髙田真希や馬瓜エブリン(デンソー)、白鞘郁里(日立ハイテク)と同じ西軍となったことでワクワク感はさらに強く、より楽しい時間を過ごすことができたと振り返る。
「去年を経験してるのでそこが基準で、『今年は何をやるのかなぁ』って。去年はキャロ(白鞘)さんと違うチームだったんですけど、今年は同じチームだったので、メンバーを見た瞬間からめちゃめちゃ楽しみでした(笑)。エブリンさんとかリツ(髙田)さんをはじめ、タイムアウトのときとかいろんなところで『あれやろう、これやろう』って、普段ありえないことをオールスターではやれるので、楽しすぎて早かったです」
内尾の出場時間は7分14秒とあまり長くはなかったが、最大14点あった西軍のリードが6点まで縮まった第4クォーター残り3分32秒に投入され、一旦逆転された後の残り1分48秒、2点ビハインドという場面でフリースローのチャンスを獲得。東軍の宮崎早織(ENEOS)や吉田亜沙美(アイシン)の妨害(?)を受けながらも、2本沈めて同点に戻してみせた。その後勝ち越しを許して結局は敗れたものの、試合の最終盤で盛り上げに一役買うことはできた。
「最後ガチでやるぞってなったときにポンって出されて、緊張しました。『えっ、ここで?』って(笑)。ルーカス(・モンデーロヘッドコーチ、トヨタ紡織)さんから『ディフェンス!』って言われたので、うわ~~って思いながら(笑)」
いずれにしても、内尾にとってはこれまでになく良い形でのシーズン締めくくりとなった。チームは負けても、オールスターは勝敗は二の次。とにかく楽しむことだけを考えていたという内尾は、その目的を十分に果たした。
「投票してくださった方にありがとうございますってお伝えしたいです。これだけ盛り上げてくれる先輩たちがいて、今女子バスケがすごく盛り上がってると思いますし、それを感じながら、今回優勝できてオールスターにも出ることができて、長い時間バスケができたということがすごくありがたいです」