第8週まで終えた時点で14勝2敗となり、あと1勝でプレーオフ進出が決まるというところまで来ていたENEOSサンフラワーズ。しかし1月2日の第9週第1戦は、2勝14敗と負けが込んでいた姫路イーグレッツに思わぬ苦戦を強いられた。第1クォーターにわずか2点とはいえリードを許すと、その後も点差の離れない展開となり、第3クォーター終了時のリードは3点。最後の10分になってようやくディフェンスで主導権を握り、最後は15点差をつけてプレーオフ進出を決めた。
どのチームに対しても高さのアドバンテージを取ることができる渡嘉敷来夢が欠場したことが、ENEOSが本来のバスケットを展開できなかった要因の一つ。チームにとって最も不可欠な存在であり、その影響が出てしまうのは仕方ないことではあるが、だからといってENEOSのバスケットスタイルが変わるわけではない。ベンチスタートとはいえ渡嘉敷が出場した第2戦は、序盤から姫路を大きく引き離して勝利。2戦とも渡嘉敷に代わってスターターを務めた中田珠未は、試合後にこう振り返った。
「昨日と比較すると最初から全員がエネルギッシュにプレーできました。昨日は出だしで相手に3ポイントをポンポン打たれて、タフショットも決められて自分たちがリズムに乗れないところがあったので、そこを修正できてゲームを通して自分たちらしいバスケットができたのは良かったと思います。
ただ、最後に相手がシュートを全部決めてきて、自分たちがミスばかりで重い展開になってしまいました。チームのレベルを上げようと思ったら若い子たちが頑張らないといけないし、自分も含めて、メインで出る人とそうでない人に分かれないようにしないといけない。自分がもっと引っ張らないといけなかったし、チームの底上げという意味ではまだまだ課題がいっぱいあるかなと思います」
渡嘉敷のコンディション調整に伴ってスターターとなった中田も、普段から心の準備は欠かしていない。それで自身のパフォーマンスを安定して発揮できるかどうかという点はまた別の次元の話だが、スターターで出た以上はその分も責任を背負う必要があるという自覚は持ち合わせている。Wリーグ11連覇、皇后杯10連覇という突出した実績を誇るENEOSであれば、それは尚更のことだ。
「いつこうやってスタートで出るかというのは誰だって予測はできないし、人間なんで毎回120%のパフォーマンスをするのは簡単ではないけど、いつ出ても自分らしさ、リバウンドや走ることは心がけてやり続けようとは普段からベンチにいても思ってるので、そこの部分ではできたところのほうが多かったかなと思います。でも、昨日は自分がスタートで出て、チームとしてやりたいバスケットが最初からできなかったというのは、5人でやるのがバスケットだからチームの責任でもあるんですけど、誰が出てもENEOSらしいバスケットをやらなきゃいけない中で、自分の課題でもあると思ってます」