9月30日のWリーグ開幕会見は、ファン参加型というリーグ初の形式で開催された。参加選手も各チームから2名ずつ、計28人という過去にない規模。オールスターでエンターテイナーとなる選手が次々に現れるWリーグらしく、笑いを誘う場面も随所に見られ、例年以上に見どころの多い開幕会見となった。
もちろん、参加選手はそんな華やかな場にふさわしい選手ばかり。東京羽田ヴィッキーズで該当する選手といえば、星澤真の名が挙がることにおそらく異論はないだろう。その明るいキャラクターは誰もが認めるところであり、ある意味では東京羽田を象徴する選手といっても差し支えない。ただし、星澤が開幕会見に登壇したのはそういったキャラクター面が理由ではない。今シーズンの星澤は、東京羽田のキャプテンを務めているのである。
一昨シーズンは1歳上の奥田花、昨シーズンは同期の鷹のはし公歌(シャンソン化粧品に移籍)が務めていただけに、星澤に順番が回ってくるのは自然なことでもあるが、本人は「(私の番は)飛ばしてくれるかなっていう思いもなきにしもあらずでした(笑)」と冗談めかして言う。
それは、星澤が自身を「私が思うキャプテンとは違う人種」と考えていたからでもあるが、一方で「昨シーズン自分が副キャプテンで不甲斐なかった」という責任も感じていたという。「今までいた選手と移籍・新人の選手が一つになる瞬間を、キャプテンとして見守るわけではなくて、仲間としてそこに一緒にいられることが嬉しい」という星澤は、「キャプテンだからと気負わず、自分らしいキャプテンの姿を最大限に表現していきたいと思います」と自然体で臨み、その姿を間近で見てきた同期の津村ゆり子は「いろんなキャプテン像がある中で、みんなでチームを作っていこうというのが浸透して、それが今のチームの良い雰囲気を作り出してるとすごく感じます」と、星澤がキャプテンになった良い影響を実感している。
トヨタ紡織を相手に前半は6点リードを奪ったものの、第3クォーターの失速が響いて敗れてしまった10月14日の今シーズン開幕戦の試合後、改めて星澤流のキャプテンスタイルを本人に問うと、今まで通りチームの一員であることを強調する内容であると同時に、責任感も感じさせるものでもあった。
「みんなにキャプテンにしてもらってるような感覚です。私が1人で突っ走って『ついてこい』というのではなくて、『みんなで一緒に行こう』という感じ。それも緩い感じの『一緒に行こう』ではなく、みんなそれぞれの勢いで、同じ所を目指して同じラインを走っているというイメージですね。キャプテンらしいことをしてるかと言われたら特に思い浮かばないんですけど(笑)、やるからには責任と覚悟を持ってやっていきたいです」
選手同士の仲が良く、上下関係の厳しさがないのが東京羽田の大きな特徴。チーム内では年長者の部類に入りつつあった星澤だが、昨シーズンの水野菜穂に続き、今シーズンも野町紗希子、岡萌乃と年上の選手が加わった。本橋菜子も含め、「良い意味で先輩面しない」(星澤)年長者たちの存在は、星澤がキャプテンを務める上でも良い環境を作っている。