8月13日、埼玉県バスケットボール協会が主催する埼玉BBドリームカップ2023が川越運動公園総合体育館で開催された。今年度の国体チームの強化試合が行われたほか、シンガーの澤田知可子氏、ダイアモンド☆ユカイ氏ら県協会アンバサダー4名の就任式も実施。越谷アルファーズもクリニックやアンバサダーとのシュート対決に登場するなど、イベントの盛り上げに一役買った。
イベントのトリを飾ったのは、国体成年女子チームとWリーグ選抜によるエキシビションゲーム。埼玉県出身のWリーグ選手8人に共栄大学と大東文化大学の選手が加わったWリーグ選抜は、選手4人がコートに立たない旨のアナウンスが事前にあったものの、渡嘉敷来夢と宮崎早織、中田珠未のENEOS勢3人は結局出場。さらに、アンバサダーの関根ささら氏と渡邉美穂氏も飛び入り出場し、賑やかなゲームとなった。
そのWリーグ選抜を迎え撃つ国体成年女子チームにも、往年のWリーグファンにとっては懐かしい名前があった。チームを率いる楠田香穂里ヘッドコーチは、かつてジャパンエナジー(現・ENEOS)でプレーし、日本代表として2004年のアテネオリンピックにも出場した元Wリーガー。引退後の2010年には、共栄大女子バスケットボール部の創部と同時にHCに就任し、12年にわたって指導してきたとあって、宮崎県出身ながら埼玉県のバスケット界には縁の深い人物だ。
ただ、この日はWリーグ選抜にHCが不在。楠田HCは、国体チームの指揮を長部沙梨アシスタントコーチ(元・トヨタ紡織)に託し、エキシビションゲームが始まるとWリーグ選抜のベンチに移動して指揮を執った。スカート姿の関根氏をコートに送り出したのも楠田HCだ。
「暑かったのでケガがすごく心配だったんですけど、選手たちはしっかり盛り上げてくれたし、とにかくケガがなくて良かったです」と振り返る楠田HC。Wリーグ選抜のベンチに入ったことについては、ゲームの直前に決まったこととはいえ、「(イベントMCに)もっと早くツッコんでほしかったですね」と苦笑いした。
そんな楠田HCだが、この春に共栄大を離れ、この日Wリーグ選抜に名を連ねていた本橋菜子(東京羽田)と中田の母校でもある東京・明星学園高に活躍の場を移した。もともと埼玉県在住ではなく、指導の拠点も県外になったにもかかわらず、引き続き国体チームのHCを任されたというのは、これまでの功績を県協会から認められ、信頼を寄せられている証と言っていいだろう。
「自分もまさか共栄を辞めるとは思ってなかったんですけど、理由の一つとしては明星に監督・コーチがいなかったというのがあって、共栄は私の教え子が引き継いでくれるということで決断しました。高校界は初めてなんですけど、やってみたいなというワクワク感もありました。
急遽明星に行くことになって、でももう国体チームも始動していたのでそのままコーチをやることになって、それはありがたかったです。大変は大変なんですけど、いろんな人に埼玉でずっとお世話になってきて、また任せてもらえたことは本当に感謝です」