「チームのために、自分が一歩成長するために」受け入れたシックスマン
三菱電機コアラーズで8シーズン目を迎えた西岡里紗は、これまで193試合に出場(※1月22日終了時点)。そのうち、130試合で先発を任された。学生時代から真っさらなコートに立ち続けてきた西岡だが、18試合を終えた今シーズンはいずれもベンチスタート。「正直ちょっと寂しいし、最初からみんなで出たいなっていう思いはありました」という気持ちを抑え、シックスマンとしての新たな役割を担っている。
今シーズンよりアイシン ウィングスから三間瑠依が移籍加入し、ルーキーのダフェ ハディと新たなセンターが加わった。「すごく有望な2人ですし、良いところもいっぱいあるので、試合の最初から出て行って経験を積んでもらうため」にその座を受け渡す意向を受け入れる。そこに、ネガティブな感情はない。「チームのために、自分が一歩成長するためにも、いろんな観点から試合をすることでやっぱり成長できるかなと思いました」という言葉どおり、西岡はこれまで以上の活躍を見せている。
途中出場ながらプレータイムは、昨シーズンの平均25.8分から28.3分へと伸びた。スタッツを見ても平均11.7点から15.9点へ、リバウンドは平均5.5本から7.8本と飛躍させ、このままいけばキャリアハイを更新する。「シックスマンとして、チームが少し悪い流れになったときに自分が出てペイント内を支配し、チームを落ち着かせるという役割を徹底しています」という西岡は、ベンチからコートに入るところにメリットを感じていた。
「コアラーズは中も外も強いというイメージが、他のチームにもついていると思います。そのインサイドに対して、相手がどういうディフェンスをしてくるのかを外から冷静な目で見て試合に入れるというのは、自分の中でも今まで感じなかった部分であり、すごく勉強になっています」
自己分析する性格は、「どちらかと言えばいつも込み上げてくるものを抑えたり、それをガマンするのが結構苦手で、ワァーってなっちゃいます」と言い、前のめりになりすぎる部分があった。しかし、シックスマンになったことで「一旦ベンチに座り、自分を落ち着かせてからみんなと一緒に戦えるというのは、気持ちの面でもコントロールができて良かったです」と話しており、今シーズンの躍進につながっていた。