昨シーズン、トヨタ自動車のベンチメンバーたちがベストファイブを受賞
トヨタ自動車アンテロープスが2連覇に輝き、2021-22シーズンのWリーグは幕を閉じた。死闘を終えたあと、今シーズン限りで引退を表明した三好南穂(トヨタ自動車)は記者会見で清々しいコメントを残した。
「このメンバーとこのチームで2連覇を達成できて本当にうれしいです。ベンチで見ていても、下の子たちが頼もしいと思えるファイナルの2試合でした。これで引退しますが、心おきなくみんなに任せることができます。やり切ったというのが自分の中であって、昨日(第1戦)はもしこれで終わったら悔いが残るなと思っていましたが、今日(第2戦)は自分の力を出し切れたので、スッキリして終わったというのが実感です。すごく良いゲームができました。笑って終われたことが本当にうれしく、みんなに感謝しています」
トヨタ自動車から23歳の馬瓜ステファニー、山本麻衣はひとつ下の22歳、そしてルーキーのシラ ソハナ ファトー ジャがプレーオフ ベストファイブに選ばれ、山本はMVPも受賞した。昨シーズンはいずれもベンチメンバーだった彼女たちの成長に対し、ルーカス・モンデーロヘッドコーチは「指導してきたスタッフのおかげであり、なにより選手たちの努力の賜物である」と目を細める。シラも感謝の言葉を述べた。
「今シーズンはスタートでもベンチで出ても、自分ができることを100%出せれば優勝できることを信じていました。それもスタッフの皆さんがいつも自主練習でいろんなことを教えてくれるおかげです。本当にありがとうございました」
馬瓜と山本は3×3(3人制バスケ)でも活躍し、3年前の2019年U23ワールドカップでは世界一となる快挙を成し遂げた。昨夏は、3×3女子日本代表として東京オリンピックに出場。その後、すぐさま5人制の女子日本代表に選ばれると、馬瓜はいきなり先発を任される。2人の活躍もあり、平均24歳で臨んだ新生女子日本代表は、見事にアジアカップ史上初となる5連覇を達成。今年2月に大阪で行われたワールドカップ予選では、先発の宮崎早織(ENEOSサンフラワーズ)の平均15.9分よりも長い、平均18.9分出場した山本は、恩塚亨ヘッドコーチの信頼をつかみはじめている。シラも、ワールドカップ進出を懸けたアフリカ予選にセネガル代表として出場し(※残念ながら予選敗退)、さまざまな経験が彼女たちを成長させ、チームを押し上げたことで2連覇を成し遂げた。本当に頼もしい「下の子たち」である。