5年前は先輩についていくだけだった小池が、今シーズンはチームの大黒柱となってセミファイナルまで引き上げた。「この舞台に立てたことが本当にうれしく思います。この経験を活かすためにも、来シーズンはもっともっと一人ひとりが成長しなければいけないとあらためて実感できる試合でした」という小池のコメントからも、自信とともに優勝を狙えるチームとして手応えが感じられる。
記者会見に登壇した鵜澤コーチと小池キャプテンの横で、涙が止まらない𠮷田舞衣。幾度となくチームを勢いづけてきた3ポイントシュートがこのセミファイナルでは振るわず、2戦とも1本しか決められなかったことに責任を感じていた。「もう一度ひとつになって、どうしても勝ちたかった…。でも、自分の仕事をさせてもらえなくて、高さなど敵わない部分でトヨタに越されてしまって、それが結果だと思います」と率直な心境を絞り出す。昨シーズンのアーリーエントリーから数えれば2年目だがまだルーキーであり、シャンソンを躍進させた立役者の一人である。
李ヘッドコーチが不在となり、水野妃奈乃がケガで戦線離脱し、藤岡麻菜美もシーズン終盤はベンチから声をかけることしかできなかった。ルーキーの𠮷田は、「この悔しさや経験が無駄にならないように、来シーズンはもっと上を目指せるようにがんばりたいです」と最後はしっかりと上を向いた。団結力でトヨタ自動車に上回られたが、シャンソンの強みもまたファミリーのようなチームワークにある。伸びしろしかない平均年齢24歳と若いシャンソンは、来シーズンこそ元気に全員が揃ってさらなる高みを目指すだけだ。
文・写真 泉誠一
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