リバウンドで貢献し、プレーオフ進出決定
2020年12月に行われた皇后杯で、ヒザの大ケガを負った渡嘉敷来夢のニュースは瞬く間に広まった。そのときに代わって奮闘したのは中村優花(現・富士通レッドウェーブ)であり、チームで2番目に大きな190cmの梅沢カディシャ樹奈はベンチで戦況を見守ることしかできなかった。渡嘉敷よりも早い10月27日、梅沢も前十字靱帯を切る大ケガに見舞われていた。
迎えた今シーズン、10月23日に行われた山梨クィーンビーズとの開幕戦で渡嘉敷は早々に出場を果たし、35点を挙げて完全復活をアピールする。渡嘉敷よりも1ヶ月以上早くに受傷した梅沢だったが、「元に戻すことだけで精一杯だった」というほど苦しいリハビリをなんとか乗り越える。コートに戻ってきたのは、開幕から2週間を経た11月6日のシャンソン化粧品シャンソンVマジック戦。その試合は76-80で初黒星を喫している。
徐々にプレータイムを伸ばし、11月20日の新潟アルビレックスBBラビッツ戦から梅沢も先発に戻ってきた。「やっと復帰でき、まだ波には乗れていませんが、徐々に後半戦に向けて取り戻せるようにしたいです」というのが現状である。直近の日立ハイテク クーガーズ戦ではリバウンドを獲って、チームに良い流れを生み出していた。「シュートが入っていないときや悪いときでも、リバウンドなど何か一つでもがんばれることを見つけられるように意識しています」とできることから貢献し、2連勝を挙げた。この勝利により、ENEOSはプレーオフ進出を決めている。
ベンチから見えた仲間たちの顔やプレー
渡嘉敷は 「ケガをしたことで自分と向き合い、多くのことを考える時間ができたことは良かったです」というコメントを残した。梅沢も「今まで見えていなかった部分が、ケガをしたことでベンチから見る立場になっていろいろ感じることがありました」と価値観を変える時間となった。
「いつも自分はスタートで試合に出させてもらっていましたが、ベンチにいることで選手たちの顔やプレーの見え方が『外から見るとこうやって感じるのか』と、発見させられる部分がたくさんありました。それを今度は自分がコートに立ったときに、プラスにできるようにがんばっていきたいです」