ポイントガードである「笠置、藤田、見崎(南美)の3人はそれぞれ特色があります。それぞれの役割に対し、みんなとの共通理解ができつつある状態です。一緒のコートに立つガードの特徴が分かりはじめ、彼女たちもリーダーシップを執りはじめてきました。チームがフィットしはじめていると感じます」と古賀ヘッドコーチは言い、三菱電機の新しいカラーが現れはじめた。
主力である根本と西岡が日本代表活動で不在だったことも、まだまだ完成度が高まっていない原因である。開幕直前に合流した根本は、自身やチームの現状をこのように話している。
「アジアカップが終わった時点で切り替えて、チームに戻ったときにどうすれば貢献できるかということを考えながら準備していました。個人的には(コンディションが)落ちることなく合流できたかなと思います。でも、やっぱりプレーは100%合わせ切れていない部分があるので、練習や試合を重ねながら徐々に精度を上げていけるようにしたいです」
平均13.83点(11月7日現在)はチームトップの得点力を誇る。日本代表として参加したオータムカップのときから、シュートタッチが良かった。「波は多少ありますが、代表活動中にいろいろ教わったことや自分が今までやってきたことを自信に変えて、3ポイントシュートだけではなくジャンプシュートやドライブも積極的にいけるようになりました。相手に対応して自分のやるべきことを徹底し、それが結果的にチームに貢献できることを目指しています」というのが好調の要因であり、根本自身も進化の過程にある。
「今はまだ3ポイントシュートを打たせてもらっている部分があるので、そこを止められたら得点が止まってしまうのではなく、プレーの幅を広げていきたいです。得点が止まったときこそ、ディフェンスからプレーしていくことで、オフェンスにもつながることは分かっています。そこが今の自分にとっても、チームにとっても課題なのでがんばりたいです」
連勝を重ねてはいるが、もがいている状態の三菱電機。その殻を破り、チームとして一枚岩となったとき、3シーズン前のファイナリストよりも、さらに強い三菱電機が待っているはずだ。根本は声を弾ませる。
「はい、乞うご期待です!」
文・写真 泉誠一