── 「今」とおっしゃいましたが、昔は違ったのでしょうか?
髙田 高校生までは、周りと比べると自分のほうが大きかったので、正直ボックスアウトをしなくても取れていたんです。でもWリーグに入ってからは、ボックスアウトをしないと自分よりも身長の低い選手にも取られてしまうんです。もはや身長差だけでは取れなくなってきたわけです。一方で、私自身が世界の国々と戦い始めて、自分よりも大きい選手を相手にすると高さで取られてしまうケースもある。そうしたことを体感して、自分が取りに行くこともそうだけど、相手に取らせないことをより考えるように意識し始めました。
── Wリーグのチームを見ても、徹底しきれていないチームはいくつかあります。もちろん各チーム、各選手ともに意識はしていると思うのですが……
髙田 常に意識し続けなければいけないのと、加えて少し技術的なところもあるんです。その部分を知らないか、もしくは教えられていないのかもしれません。たとえば単純に指導者から「ボックスアウトをしなさい」と言われても、形はわかるじゃないですか。背中で相手を抑えて、ゴールを見て、相手に行かせない。それはわかるけど、そうするために何が必要なのかがわかっていない。こうしなさいという教科書に載っているようなことだけでは、相手がいることなので、通用しないことが多いんです。
自分に合ったスキルを追い求めていく
── もしかしたらWリーグの監督、コーチ、選手たちも読むかもしれませんが、その極意を明かしてもらうことはできますか?
髙田 もちろんです。まずは相手に接触することが一番。リングに遠いところから常に接触し続ける。それは相手がシュートを打ってからではなく、打ちそうだなって思ったところから接触し続けることが大切です。次に大切になってくるのは、相手はそこからさらに入ってこようとするので、それに対して相手の足を止めることです。通常は上体で先に当たると思うんですけど、第2段階として、相手が一歩目を踏み出そうとするスペースに、それよりも速く動いて、自分のお尻などを相手の足などに当てる。そうすることで相手の一歩目は外に出ていくから、中には入れない。よくあるのは、両足がコートについたまま上体だけでぶつかって止める形。それだと相手が入ってくるんです。そうじゃなくて、止めて、それでも入ってくる相手に対して、自分の足なり、お尻を振り向きながら当てに行く感じです。