高さによるアドバンテージがない今、梅嵜ヘッドコーチは「ペイントアタックし、キックアウトから3ポイントシュートを狙う」スタイルに切り替えてプレーオフに臨む。その結果、平均8.8本を大きく上回る12本を成功させた。しかし、第4クォーター残り5分34秒時点で、67-52とデンソーが15点と大きくリードしていた。
後がなくなったENEOSはディフェンスのギアを上げ、速攻を決める本来のスタイルを取り戻し猛追する。足が攣り、コートに倒れる宮崎だが、「大丈夫です。やれます!」とすぐさま立ち上がり、続くプレーで3ポイントシュートを決めた。残り12.6秒、72-71。1点リードするデンソーは逃げ切るべく、タイムアウト後に24秒のフルコートを選択。すぐさまENEOSがファウルで時計を止めた。今シーズンのフリースロー成功率は83.6%、この試合もこれまで8本全てを決めており、「髙田(真希)さんには打たせたくなかった」とファウルした岡本が言うほど、ENEOSは厳しい状況を迎える。
しかし、その髙田が2本ともフリースローを外してしまった。赤穂ひまわりがリバウンドを拾うがENEOSもそのボールに飛び付き、ジャンプボールシチュエーションとなり、ENEOSにチャンスが巡ってくる。残り5.1秒、デンソーは守りきれば勝てる状況だったが、ここで高田が痛恨のファウル。フリースローを得た岡本が2本ともしっかりと決め、73-72と逆転したENEOSが苦しみながらも先手を取った。
敗れたマルコヴィッチヘッドコーチは、「選手たちには常に40分間戦うことを伝えているが、今日は残念なことに38分しかプレーを遂行できなかった」と悔やむ。しかし、62-78で敗れた皇后杯準決勝からの成長は見られている。敗れはしたが、互角に戦えたことを自信に変えれば、これからはじまる第2戦は違う結果が待っているかもしれない。
Wリーグプレーオフ セミファイナル第2戦は本日3月15日(月)16時より、有観客試合で行われる。
文 泉誠一
写真 W LEAGUE