土日連戦の2戦目に問われる真価
今週末(10月10日・11日@代々木第二体育館)はENEOSと対戦し、いずれかに初黒星がつくことになる。谷村が得点源となって勝ち進んできたが、ENEOSには渡嘉敷(193cm)と梅沢カディシャ樹奈(190cm)のツインタワーが立ち塞がる。日立ハイテクは北村悠貴、曽我部奈央、星香那恵とガード陣にも得点力があり、彼女たちの状況判断が問われる。谷村がいることで、これまでは身長差で有利に立ったディフェンスの裏へのパスも簡単には通らなくなる。
課題点はリバウンドであり、シャンソン戦は2連勝したがいずれもその数字は下回っていた。87-68で快勝した東京羽田戦は1本差、続く2戦目も93-53と40点差をつけながらもリバウンド数は4本しか上回ることができていない。日立ハイテクはオフェンスリバウンドを獲れているが、ディフェンス時は逆に簡単に奪われてしまうシーンが目立つ。ENEOSはセカンドチャンスが強いだけに、オフェンスリバウンドを獲られれば必ず失点につながってしまう。そこをチームで守れるかどうかが、ひとつのカギになりそうだ。
2001年から11シーズンに渡ってENEOS(旧JOMO〜JX)の指揮を執ってきた内海ヘッドコーチが、まさか古巣と対戦する機会が訪れるとは夢にも思っていなかった。そんな夢の対決が次戦にやって来る。しかも、首位攻防戦だ。対するENEOSの梅嵜英毅ヘッドコーチはアテネとリオのオリンピックではアシスタントコーチを務めており、内海ヘッドコーチとの師弟対決も見逃せない。
日立ハイテクがENEOSに勝利したのは12年前まで遡らなければならず、2001年にWリーグに昇格して以来、白星はそのときに挙げた2回だけ。当時2008-09シーズンも同じチームとの対戦が4度あり、いずれも勝ったのは土日連戦の2戦目だった。今シーズン、これまでの3チームとの対戦はいずれも2戦目の方が得点を上乗せし、点差を引き離して勝っている。東京羽田戦の2戦目を終えたあと、「自分たちのやりたいディフェンスがしっかりハマったこと。オフェンスでもブレイクや相手のゾーンディフェンスに対して、本当に自分たちがやりたいことがきっちりハマった」ことを北村は強調し、アジャストできている点が好調さを支えている。ENEOSを相手に勝っても負けても2戦目の修正力が見どころであり、日立ハイテクの真価が明確になる。
文 泉誠一
写真 W LEAGUE