復活を目指すファイナリストたちの開幕戦
昨シーズン5位のデンソーアイリスと、7位の三菱電機コアラーズによるWリーグ開幕戦。2年前は三菱電機が、3年前はデンソーが、どちらもファイナルの舞台に立っていた。復活を懸けた新シーズンの初戦は三菱電機が63-59で接戦を制し、白星スタートを切った。現役通算得点1位の髙田真希(6,118点 *開幕前時点)、移籍してきた本川紗奈生も同3位(3,183点*)と攻撃力を誇るデンソーを59点に抑えている。
「ディフェンスだけは良かったと感じています」と渡邉亜弥が言えば、続く西岡里紗も「強いディフェンスから相手に嫌なシュートを打たせて、そのリバウンドを獲ることが少しはできていたと思います」と、チームディフェンスが機能していた。インサイド陣はボックスアウトを徹底し、こぼれたボールを渡邉は7本、根本葉瑠乃も6本とガード陣が記録した本数がチームリバウンドに徹していたことの現れである。
勝利した翌日、三菱電機のロッカールームでは「相手が最初から勢いよく向かって来る」と警戒し、その心構えをして臨んだはずだった。「分かってはいたんですけど、それに対して受けてしまったことが第1クォーターの結果になってしまいました」と根本は述べ、13-24と最初の10分間で11点のビハインドを背負う。スタートダッシュを許してしまい、「そこから立て直すこともできずに相手のペースで終始運ばれ、インサイドを攻略されてしまったことで自分たちのオフェンスも重たくなってしまいました」と話す川井麻衣は、ポイントガードとして修正することができずに終わる。後半はそれぞれが積極的にゴールを狙ったことで60点まで点数を伸ばしたが、前日に見せたチームディフェンスが機能しないまま79点を奪われ、このカードは1勝1敗の痛み分けとなった。
リバウンド数はともに42本だったが、15本を許したオフェンスリバウンドが前日との違いでもある。根本は「今日のデンソーが本来の姿であり、昨日はそのリバウンドに来ていなかっただけで自分たちが獲れていました。(赤穂)ひまわり選手や髙田選手がリバウンドに入って来ることは絶対に分かっていましたが、それに対しての対応ができなかったです」と課題が浮き彫りになる。