── そうした経験を経て、それでも自分のなかで何か少しでも変わったかなと思える点はありますか?
東藤 高校生のときに比べて、リラックスしてプレーできるようになったかなって思います。高校生のときはとりあえずゴールに向かう、何が何でもゴールに向かうっていう感じだったので、あまりディフェンスを見てプレーできていなかったんです。実業団に入って、相手チームはこういうチームで、この選手はこういう選手でこういうプレーをするからって知ったうえで試合をしているので、頭を使いながらバスケットができるようになりました。
齋藤 私はポジションが変わったので……声を出すようになったことかな。高校も大学もキャプテンではあったんですけど、声を出すタイプじゃないというか、出してもキャプテンという役割上の声だけだったんです。基本的にゲーム中はポイントガードに任せて、あまり声を出すことがなかった。それが紡織に入って結構声を出せるようになったというか、出す意識を持って、出せるようになったかなって思います。
── 声を出すのは嫌いじゃない?
齋藤 いや、あまり得意ではないですね。目立つのもあまり得意じゃない。だからできるだけおとなしく、影を潜ませておきたいんですけど、コートに入ったらやらないとなって。
東藤 麻未さんは練習のときから声を出すので、声を出すのが苦手だなって周りの人も思っていないと思います。練習の声が試合でも出ているんですよ。
── オフコートでは?
東藤 普通に声が大きいし、うるさいんで(笑)。
齋藤 ハハハ。なな子と2人だけとか、仲が良い人といるときはうるさいんですけど、心を開かないとあまり大きな声ではしゃべらないかな。結構人見知りなんで。
── 教育実習時代から見てきた東藤さんの変化、成長ぶりを間近で見てきて、齋藤さんはどう感じました?
齋藤 昨シーズンの夏にも年代別の日本代表(U19女子日本代表)に選ばれて、大会(FIBA U19女子ワールドカップ)に行く前と後とでは変わりました。そこで悔しい思いをしたんだと思います。今年1月にもA代表の強化合宿に呼ばれていましたけど、合宿に行く前と後とでは、やはり練習や自主練に取り組む姿が変わりました。すごく向上心のある、素晴らしい子だなって1年を通して改めて感じました。
東藤 ウフフ……ありがとうございます。