part2「『ニュートラルボールの支配』でつながる阿吽の呼吸」より続く
「一番の大きな目標は日本代表のエースになることです(東藤)」
北海道・札幌山の手高校でバスケットの基礎を学び、それをWリーグの1年目で見事に昇華させたトヨタ紡織サンシャインラビッツの齋藤麻未と東藤なな子。しかしまだ彼女たちは1年目を終えたに過ぎない。2年目の今シーズン、他チームは彼女たちを徹底的に抑えにかかるだろう。それをいかに打ち破るか、たとえ突き落とされても、這い上がれるのか。2年目は彼女たちの真価は問われるシーズンでもある。
それぞれコートネームがありながら、高校時代の名残でつい「麻未さん」、「なな子」と呼び合う2人の対談。最終回は伸びしろ十分、進化し続ける2人に、改めてチームのこと、自身の夢や目標について聞いてみた──。
── お二人はルーキーシーズンだったので前のシーズンと比較することはできないと思いますが、昨シーズンの紡織のここがよかったと思えるところはどこですか?
齋藤 中川さんがよく言うんですけど、出ている選手全員が得点を取れるのが昨シーズンのよかったところというか、そこで紡織らしさが出ていたんじゃないかと思います。スタートの5人もそうですし、途中から入ってくる選手もみんな得点を取れる選手だったので、偏りがなく、得点が分散されていたところがよかったんじゃないかと思います。
東藤 オフェンスであれば相手の弱みを全員で攻めて、ディフェンスだったら相手の強いところを全員で守る。そうしたことを練習からやっていたので、試合ではそれを全員が共通理解としてプレーできたし、そこは強みだなと思いました。
── サンシャインラビッツというチームはお二人にとっても心地よかったようですね。
齋藤 その前の年に川原(ゆい)さんたち8人が辞めていって、中堅がごっそりいなくなったんです。移籍で飯島(早紀)さんが来たけど、上との年齢差が大きく開いてしまって、それでも野町(紗希子)さんがしっかり全員を引っ張ってくれたので心強かったです。
東藤 私は最年少だったので、多くの先輩たちと年齢が近くなったことでコミュニケーションを取りやすくなって、すごくやりやすかったです。
── 昨シーズンは何が一番楽しくて、何が一番つらかったですか?
東藤 勝ち続けられたことが楽しかったです。でも勝ち続けていたときにゲームのない月があって、そのあとに「なんかうまくいかないな」っていう時期が長く続いたときは一番つらかったです。個人的にも上がらなかったですし。
齋藤 私も同じです。勝てたことがよかった点。つらかったのはJX-ENEOS(サンフラワーズ。12月21日、22日。@滋賀)戦のあと。それまでは自分たちも1敗だったので「首位対決」みたいな感じだったんですけど、すごい大差で負けて(初戦が71-87、第2戦が69-93)、チームも沈んじゃって、その流れで皇后杯のトヨタ自動車(アンテロープス。69-87)にも負けてしまった。あのあたりがチーム的にも一番つらかったかな。