── 齋藤さんのポイントガードはどうでしたか?
東藤 めっちゃよかったです。
齋藤 ウソつけ(笑)!
東藤 ホントだ(笑)。
齋藤 思っていないでしょ(笑)?
東藤 思っていますよ。紡織のバスケットはパスから入るんですけど、麻未さんはエントリーパスを出すタイミングが早いから、オフェンスの展開も早くなるんです。トップからドライブして、そこからのキックアウトもよかったし、麻未さんはポストもやるので、センターが外に出ても、麻未さんがローポストに入る動きができる。多彩なチームオフェンスを展開する起点になってくれて、すごくやりやすかったです。
齋藤 ありがとうございます(笑)。
── 実際にプレーしたWリーグはどうでしたか? もちろんレベルの高さは感じたと思いますが、手応えは?
東藤 アンダーカテゴリーの日本代表のときから自分のなかでは1対1を強化していたので、それが試合でも通じたところはあったと思います。
齋藤 ポイントガードはゲームを作らなければいけないポジションだから、スタメン組に呼ばれた当初はほかの4人の足を引っ張らないようにしなきゃっていうネガティブな感情を持っていたんです。さっきも言ったとおり、ほかの4人は春からスタメン組で練習していたから余計にそう思っていたんですね。でもネガティブになればなるほど足を引っ張っていて……それが開幕戦でトヨタ自動車と対戦したときに、今までモヤモヤしながらプレーしていたのが、コート上の5人でしっかりしゃべって、プレーもしっかりできていたので、その2試合で少し自信がついて、そのままの勢いでシーズンを進めることができたかなと思います。
── 全16試合で一番印象に残るゲームはどの試合になりますか? 齋藤さんはそのトヨタ自動車戦?
齋藤 そうですね。あとはデンソー(アイリス。10月26日、27日。@石川)に2勝した試合も印象に残っています。デンソーには大きい選手が3人いて、身長の低い自分たちはデンソーに対する守り方を徹底して試合に臨んだんです。結果的にもそれをいい形で表すことができて、2試合とも点差を離せて勝てたので(初戦が82-56、第2戦が82-67)、そこで紡織のチーム力が出たなって思いました。
東藤 私は三菱電機(コアラーズ)との第2戦(10月14日。@愛知)が印象に残っています。最終的にはフル出場したんですけど、前半を終えたところで4つファウルをしていたことと、残り6秒くらいで決勝点というか、試合を決定づけるような3ポイントシュートで決められたんです。開幕4試合目でしたが、Wリーグで初めて3ポイントシュートを決められたこともあって、それが自信につながった試合でした。
── 今、東藤さんが「三菱電機戦」と言った瞬間に齋藤さんはニヤリとしましたね。
齋藤 4つのファウルをしていたことは覚えていなかったんですけど、最後の3ポイントシュートはすごかったなって。なな子はその試合を挙げるだろうなって思っていました(笑)。
part2「『ニュートラルボールの支配』でつながる阿吽の呼吸」へ続く
文 三上太
写真 W LEAGUE
画像 バスケットボールスピリッツ編集部