── あのクイックシュートは大学時代から磨いてきたというより、最近、海外勢とやるようになってから?
林 そこでもっと速くなったように思います。
── 練習では高い外国人をイメージしてクイックで打っていますか?
林 いや、練習ではそんなに速く打っていないですよね?
宮澤 練習中のキキを見ていると、ところどころで「速いな」って思うことはあるんです。でも試合のときのほうが「うわっ、それ打つんだ!?」っていうのがありますね。思い切りがあるというか。ただそう感じるのもJX-ENEOSより日本代表のときのほうが多いし、日本代表でも練習をしているときより、試合のほうが多い。特に大事な場面でコートに立ったときの思い切りが、シュートを打たなきゃいけないっていう気持ちがあるからかもしれないけど、いい方向に出ていると思います。キキのシュートセレクションはJX-ENEOSと代表だと違うのかなって思います。
林 自分ではそういう意識はないんですよね。
宮澤 少し前の試合で「キキ、今のパス、大丈夫?」って聞いたでしょ?
林 ああ、はい、あのときね……確かに聞いてきましたね。
宮澤 あのときにそう思ったんだよ。でもJX-ENEOSはファーストオプションがインサイドだから難しいんですよね。今、自分が打つべきなのかって考えるから判断が本当に難しい。日本代表は逆に「外ファースト」みたいな感じだから、シューターはなおさら思い切り打てますよね。JX-ENEOSでは自分も打てる、でもインサイドにも入れられるっていう状況があるから、試合の流れを見て考えて、状況判断をしなければいけないんです。
── チームのコンセプトも関係しているわけですね。ではトップレベルのシューターだからこその楽しみってありますか? 表立ってガッツポーズはしないけど、実は心の中でガッツポーズしています、みたいな。
宮澤 難しいなぁ……私はみんなが動く動きの中で決められるとうれしいかな。みんなが動いてくれたから、最後に自分が決められました、みたいなとき。ただ単に1対1でディフェンスと駆け引きをしてシュートを打つより、みんながいろんな動きをして、自分に託してくれたボールを決めたときに「よしっ!」って思います。だからガードが私のシュートで終わるプレーをコールしたときに、そのシュートを決めると、ちゃんと仕事を果たしたなっていう気持ちになるんです。逆にそれを決められなかったときには「ああ、ダメだ」って思っちゃう。