女子バスケを盛り上げるために奔走するキャプテン
今シーズンのスローガンである「味わおう最高の時間」はチーム全員で決めた。「どんな展開でも諦めずに戦う試合をたくさんの人に見てもらって何かを感じて欲しい」という思いがこもっている。プロではないWリーグは、どこか淡々と試合をこなしているだけと見えがちだ。また、企業チームはホーム&アウェーが希薄な点も否めない。しかし、デンソーは地元のウィングアリーナ刈谷を赤く染め、シーホース三河と同じ小林拓一郎氏が会場を盛り上げた。今シーズンは開幕週だけだったのが残念である。
オフの7月には髙田主催のファンミーティングも実施し、早々に募集人数を締め切らなければならないほど盛況だった。近年の髙田はメディアを通じて、女子バスケを盛り上げる発言が多い。日本代表やデンソーではキャプテンとしてチームを引っ張り、コート外でも精力的にアピールをする。「味わおう最高の時間」を実現するために奔走している。アジアカップ4連覇を果たしたが、ラグビーワールドカップやBリーグ開幕の影に隠れてしまい、この快挙もあまり話題にはならなかった。来年のオリンピックでは金メダル獲得を公言している。世界3位のオーストラリアや、昨年のワールドカップで敗れた中国を破ってアジアチャンピオンとなり、金メダルも無謀な目標ではなく、現実味を帯びてきた。Wリーグから盛り上げ、ファンを増やしながらオリンピックへとつなげていく必要性を感じ、髙田は行動に移している。
「しっかり結果を出して、皆さんと最高の時間を味わいたいです。一試合一試合、心を込めて今後も戦っていきたいです」
今週末は5勝1敗で同じく好調なスタートを切ったトヨタ紡織サンシャインラビッツと対戦する。
文・写真 泉誠一
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