── 話を大会に戻すと、それぞれ自分自身の出来はどうでしたか?
エブリン プレータイムは少なかったんですけど、今回はトムさん(ホーバスヘッドコーチ)に「こういうプレーをしてほしい」と明確に教えてもらっていて、ベンチから出ていくメンバーなので、雰囲気的にもっともっとプッシュしていくようなプレーをしたいなと思っていたんです。それはどの試合でも結構できたんじゃないかなって思います。プレータイムはこれからもっと確保できるようにしなければいけないけど、今大会に関しては悪くはないかなって思っています。
ステファニー 自分も悪くはないと思うんですけど、5点の試合もあったり、10数点の試合もあったり、自分の中で波があったので、そういうのはチームに影響してしまう。でも今回は自分あってのチームではなくて、チームのための自分だなとすごく感じたんです。自分が全然得点を取れないときでも、他の選手がどんどんドライブで得点を取ってくれたり、ディフェンスのカバー、ローテーションなどもしてくれて、あまり長い期間は一緒に練習していないけど、チームとして戦えたなって本当に感じました。
エブリン しばらく見ない間に成長したなぁ(笑)。一緒に生活をしていた頃はいつもふざけてばっかりで……こんな真面目なことも言えるんだ。
ステファニー エブリンにとっては記憶が小学生で止まっているからね。エブリンはベンチスタートだったけど、こっちから見ていても雰囲気を作るというか、そういうのは昔からうまいし、結局、根は真面目なので、そういうところはしっかり出せているのかなって。
エブリン 何だ、それ(笑)?
── さすが妹、姉のことをよく知っている。
ステファニー 伊達に妹を19年間やっていませんから(笑)。
── でもステファニーも雰囲気を上げるタイプでしょう?
ステファニー はい、バリバリやっていますよ。U19でもやっていたんですけど、やっぱり女子代表の陰に隠れていたので……正直なことを言えば、自分たちも女子代表の結果に負けたくはなかったんです。Twitterなどで「アジアカップ3連覇 ── ウォ── !」 みたいなツイートが流れてくるじゃないですか? 「こっちも見て。U19も頑張っているから見て!」みたいな。
── 将来的には2人で代表入りしたいと思いますか?
エブリン もちろん……(ステファニーに向かって)期待してますよ~。って自分も頑張らなきゃいけないか(笑)。そうなったら話題性的にもいいかなと。
ステファニー そうだよね、バスケットを広めるためにもね。
エブリン お母さんへの恩返しという意味でも素晴らしいことだと思うので、同じJAPANを着られたら楽しいと思います。
ステファニー フフフ……でもケンカしたりして(笑)。 エブリン 代表でケンカはダメでしょ(笑)。
いつか2人が同時に代表のコートに立ってプレーする、もしくは姉から妹、妹から姉といった交代シーンが見られるのか。勤勉な日本に彼女たちの陽気さが加わったとき、女子日本代表の強さはさらに増大する ── 。
文 三上太
写真 安井麻実