※本記事はバスケットボールスピリッツのWEB化に伴う、2017年8月末発行vol.12からの転載
7月下旬の同時期、場所を異にして、それぞれ世界と戦っていた姉妹がいる。姉・エブリン22歳と妹・ステファニー18歳(2017年8月現在)の馬瓜姉妹だ。姉はインドでアジアカップを、妹はイタリアで19歳以下のワールドカップを戦い、それぞれ優勝と4位入賞に貢献している。日本が誇るバスケ姉妹は世界で何を感じたのか。初めて姉妹対談をするという彼女たちを、所属するトヨタ自動車アンテロープスの体育館に訪ねた。
── 同時期に開催されていたFIBA女子アジアカップと、FIBA女子U19ワールドカップについて伺います。それぞれチームとして結果を残した現場にいたことを、率直にどう思っていますか?
エブリン 今回、初選出され、すごくいい経験をさせてもらったと思います。この経験ができる人は少ないので、また次の大会につなげられたらいいなって思っています。
ステファニー 世界で4位になったことは自分たちとしても満足していますし、今までで最高位というのは嬉しかったんですけど、1回勝った相手に負けたことは悔しかったです。実は大会前に(3位決定戦の相手となった)カナダとは練習試合をしていて、そのときは勝っているんです。だから悔しくて……ただそれはこれからの自分たちの経験につなげていけたらいいなと思っています。
── お互いの情報は入っていましたか?
ステファニー たいてい自分たちの試合の前に、女子代表のゲームがあったんです。だからリアルタイムでスタッツなどを追いかけたりしていて、みんなで「代表も頑張っているから、U19も負けないように頑張ろう」って言い合っていました。
エブリン 初日にU19がオーストラリアに勝ったと聞いて、「ホント? マジかよ⁉」って驚きました。同時に、今大会の自分はロールプレーヤーで、たくさんゲームに出るわけじゃないんですけど、自分たちと同じ予選グループにもオーストラリアがいたので、同じ“日本代表”としては勝たなきゃいけないなってずっと思っていました。
── 自分の姉、もしくは妹がいることも意識しましたか?
エブリン 自分はしていましたね。ステがいるし、勝ち進んでいるし、一応自分も(U17世界選手権で)4位だし(笑)、行けるところまで行ってほしいなとは思っていました。
ステファニー アジアカップの初日にエブリンが21得点取ったことをスタッフからすごく言われて、「ああ、自分も頑張ります!」みたいな(笑)。
エブリン お互いさまだよ(笑)。
── 大会期間中、LINEなどでやりとりはしていましたか?
ステファニー していました。アジアカップの初日も「21点取った」って言われたんだけどって。
エブリン そう、「だからお前も頑張れよ」と。
ステファニー ただあまり返信をするタイプじゃないんですよ、エブリンは。すぐに既読無視するんです。
エブリン そう、一方通行。
ステファニー 自分の言いたいことが終わったら、もう終わり(笑)。私から質問しても返ってこない。インドとイタリアでは時差もあるから、余計に返ってこない。寝る前に見たら、それで終わり。寝ちゃうんです。
エブリン 大事なときはちゃんと書きましたよ。 ステファニー そうだね、準決勝と3位決定戦の前は、初めてこんなに届いたなっていうくらいエールをくれました。
エブリン ハハハ(笑)。
ステファニー おお、めっちゃ返信が来る!って(笑)。