SG:本川紗奈生(シャンソン化粧品シャンソンⅤマジック #6)
このポジションもなかなか甲乙つけがたかった。リーグのベスト5に選出された渡邉亜弥(三菱電機コアラーズ)を筆頭に、渡邊の対角である根本葉瑠乃、チームの11連覇に貢献した岡本彩也花(JX-ENEOSサンフラワーズ)、ベテランの伊集南(デンソーアイリス)なども名を挙げられた。
そうしたなかで本川に決まったのは、今シーズンが彼女にとってある種の復活を感じさせるシーズンでもあったからだ。リオデジャネイロ五輪以降、ケガなどもあって、どこか彼女の持つ“輝き”、“ダイナミックさ”が影を潜めていたように感じる。今シーズンもスタッツだけを見れば、得点、リバウンド、アシスト、いずれも昨シーズンより下回っている(総試合数が異なるため、一概には比較できないが……)。それでも現役を引退した落合里泉さん、のちに記す谷村里佳とともにチームが誇る“3つの柱”として存在感を示した。
セミクォーターファイナルでトヨタ紡織サンシャインラビッツに敗れたことは、チームの柱、チームの顔として反省すべき点でもあろう。司令塔の落合さんが抜けた来シーズン、本川が真のリーダーとしてコート内外でチームを引っ張れば、本家ベスト5への返り咲きも十分に考えられる。
SF:赤穂ひまわり(デンソーアイリス #88)
このポジションは馬瓜エブリン(トヨタ自動車アンテロープス)と、今シーズンで現役を引退した長部沙梨さん(元トヨタ紡織サンシャインラビッツ)、そして赤穂ひまわり(デンソーアイリス)との三つ巴戦に。長岡萌映子(トヨタ自動車アンテロープス)も加えたいところだったが、諸々の都合で長岡はひとつ下のポジションに降りていただいて、3人を軸に選考された。
チームへの貢献度を考えれば馬瓜、長部さんが一歩も二歩もリードしている。馬瓜はリーグ3位の得点をあげているし、長部さんもリーグ9位にランキングされている。一方の赤穂(ひ)はルーキーイヤーの昨年に比べると得点、リバウンド、アシスト、いずれも成績を落としている。それでも彼女に票が集まったのは、今後の期待も込めて、というところだ。
いやいや、いくら本家と異なる選手を選ぶと言っても「今シーズンのベストな5人を選ぶ」のがベスト5であって、先を見たらきりがないという意見もあるだろう。確かにその通り(キッパリ!)。しかし大黒柱の髙田真希と、姉のさくら、インサイドにおける2枚看板を持つデンソーにおいて、赤穂(ひ)の持つ高い身体能力と、それを駆使したドライブ、リバウンドはチームの上位進出に不可欠である。非常に勝手な選考理由だが、Basketball Spiritsにはそんな期待値もベスト5に加味されるということでお許しいただきたい。