── 女子日本代表のエースは誰だと思いますか?
(渡嘉敷)来夢さん。
── エースとはどんな選手でしょうか?
チームがダメな時でも「やっちゃう」「勝たせちゃう」、一人でもチームを助ける存在かな。
── アジアチャンピオンとなり、オリンピック出場を決めた2015年の日本代表では、勝たせちゃった本川選手がエースだったと感じていますが?
エーーース!? 日本のエースは来夢さんだけど……でも、あの時はどこと戦ってもがんばれたというか、どうしても活躍したかったんです。本来の『本川紗奈生』をみんなに見せたかった。初めて日本代表に選ばれ、ファンの方も私のことを何も知らないじゃないですか。こういうプレースタイルの選手もいるんだぞ、という姿を見せたかったです。
── シャンソンのエースは本川選手で良いですか?
丁(海鎰ヘッドコーチ)さんにも、前ヘッドコーチの木村(功)さんの時からそう言われてます。やっぱり自分がやらなければこのチームはダメだと思ってます。ダメというのは悪い意味ではなく、私がやれば勝てるし、やらなければ負けるということです。みんなもがんばってるし、それぞれやらなければいけないけど、最終的には自分がやれば絶対に勝てると思っています。
── Wリーグ1次ラウンド最終戦でトヨタに87 — 66で快勝し、後半戦に向けてきっかけをつかむ試合になったのでは?
あの試合まではインサイドの得点が少なかったです。ケガ人もいて、元山(夏菜)さん一人では限界がある。また、丁さんの難しいバスケットにまだついて行けてなかった部分もありました。でも、あのトヨタ戦みたいに丁さんの求めるアグレッシブなバスケットが徹底できれば勝てるし、昨シーズン以上の位置に行けます。何が良くて、何が悪いのかがハッキリした試合でした。これまで沈んでた分、やっと少し登れたのかなと思います。
── 最後に、今シーズンの目標とエースとしての意気込みを聞かせてください。
今シーズンの目標は優勝です。シャンソンの良さはひたむきに、ガムシャラにプレーして、見てる周りの人たちを感動させることです。昨シーズン、初めて試合を見た方から「すごく良いチームだった」と言ってもらえたり、手紙をもらったりしました。勝つことも大事ですが、応援されるチームが一番良いと思っていましたし、目標としているところです。応援され、優勝するためにも、自分がやらなければならないのは当たり前のこと。迷わずにチームを引っ張っていきたいです。
1月21日より上位6チームによる第2次ラウンドが始まった。オールジャパンからセンターの河村美幸が待望の復帰を果たし、戦力が揃って迎える後半戦。多くの方に感動を与えながら優勝を目指すシャンソンの中心には、本川紗奈生がいる。体を張ったドライブでチームをさらなる高みへと導いていく。
文・写真 泉誠一