※本記事はバスケットボールスピリッツのWEB化に伴う、2017年1月末発行vol.5からの転載
静岡市にあるシャンソン化粧品の敷地内に、社屋よりも立派な練習場がそびえ立つ。そのドアを開けると往年のエース、アン・ドノバンのパネルが迎えてくれた。80年代、ドノバン在籍時の3連覇から始まったシャンソン黄金期。90年代にはリーグ10連覇の金字塔を打ち立てた。最後にリーグ制覇したのは2005年。古豪復活が待たれるシャンソンのカギを握る現在のエースが、本川紗奈生だ。でっかい北海道で生まれ育ち、札幌山の手高校で高校3冠を獲った後、日本一の富士山を見上げるシャンソンで成長を続ける。
── オリンピックを経験したことで、バスケットに向き合う心境の変化はありましたか?
終わった後すぐに「また、オリンピックに出たい」という気持ちが沸いてきました。リオ後、周りから「東京でも選ばれるでしょ」と言われるけど、4年も先の話であり、そんな保証はどこにもない。若手選手も伸びてきており、4年後のことをすごく考えた結果「東京でもう一回、あの舞台に立ちたい」と強く感じるようになりました。
── オリンピックに向けて、リーグ中から新たに取り組んでいることは?
以前と変わらないですが、自分の武器は捨ててはいけないと思ってます。最近は攻めてるけど、アシストに回ることが多い。相手のディフェンスの寄りも早いですが、それでもフィニッシュまで行くための強さをもっと磨きたいです。あとは、オリンピックでは全然入らなかった3Pシュートの精度を上げていきたいです。
── 武器であるドライブで工夫している点は?
海外で試合を多く経験したことで、相手をかわすシュートを覚えました。それをリーグ戦でも出したいのですが、日本のディフェンスはしつこく、すばしっこいので思ったよりうまくいかない。海外に比べて、日本の方がディフェンスはすごくタイトです。
── 対戦相手がライバル視して向かって来るのでは?
今シーズンは自分とマッチアップするみんなが“シャカリキ”になって来ます。昨シーズンまでそんなことはなかった気がしますが、「こいつに勝てば日本代表に入れる」と思われてるんだと思います。それがちょっとイラッとする。だから、こっちも負けられません。